遺産と力を渡された
「邪魔だ、そこをどけぇえええ」
俺は、愛機である『6式ダーインスレイブ』を操縦しながら敵の集団のど真ん中を目指し、道を作る。その中でも一際大きい機体に狙いを定める。そして、トリガーを引く銃から放たれた弾丸が敵のコックピットを打ち抜く。敵が落ちていくのを確認し、周囲の敵を全て撃墜した。しかし、度重なる戦闘で疲れた体と壊れかけた機体では、帰還するのは無理で、そのまま海に墜落した…
日が昇り、憂鬱な朝が来た。
「はぁ、めんどくせぇ。」
そう言いながら俺、『神風 冬夜』は溜め息をついた。
「そんな事言ってないで早く行きますよ。」
そう言い放って、微笑んでいるのは俺の彼女でクラスメイトの『望月 ルーミア』だ。こいつは、ロシア系のハーフで髪は白銀で瞳は赤、肌はアルビノに間違われるほどに白という、かなりの目立つ見た目なのに加えよくナンパされるほどの整った顔で、つまり自慢の彼女である。そして、俺はと言うと、平凡な顔で、ありふれた黒い目と髪。しかし、ルーミアに言わせると、夜空のような深い『漆黒』らしい、他のやつに言われた事は無いため、お世辞だと思う。
今は、この世で1番憂鬱な日曜登校の最中で、朝の謎の夢も加わり頭が痛くなる。学校に着き、教室に入るとすぐ嫉妬の視線が飛んでくる、学年で1番美人と言われる、ルーミアと付き合っているのだから当たり前と言えば当たり前だ。先生が入って来て、ホームルームが始まろうとした時『それ』は起きた、しかし『それ』を認識した次の瞬間、俺たちは別の世界に飛ばされた。
「ふむ、来たか。少年起きたまえ。」
目の前の何者かが声をかけてくる。そして、俺は意識がはっきりとする。そして、『ここ』がどんな場所か認識する、白い部屋のような場所だ。
「ここはどこだ?」
俺がそう問うと、目の前のやつは、
「ここは、次元の間だ」
と、答えた。そして、やはりそうかと思い。そして、何故そう感じたのか疑問に思った、俺はこんなとこにきた覚えもなかったからだ。そう考えていると、
「ふむ、やはり理解できていたか。さすがは、俺の転生体だ」
と、つぶやいた。
「どうゆう事だ」
そう俺が問うと、
「そのままの意味だ。お前は特別で、前世の記憶が大量にある。そして、通常は思い出せないが、お前は思い出すことができる。そして、前世である俺が、お前に力を与える。」
そう、言い放った。俺がまた、質問しようとすると、
「時間がない、力は与えてやる。そして、遺産もくれてやる。使い方は、思い出せる。だから、強く生きろ。そして、幸せにしてやることが条件だ。また、会おう少年」
そう前のやつが言うとまた、意識が薄れていった。