4.疾風迅雷が如く。
短いけど、お願いします_(:3 」∠)_
「うおらああああああああああああああああああああああ!!」
グリムの戦斧がレライエの身体を両断する。
しかし、敵は一体ではない。動きは愚鈍ながらも、少しでも脚を止めれば蜂の巣にされてしまうだろう。彼らの弓は一撃が強烈であり、喰らえば生死にかかわる。
彼の動きは決して機敏ではない。
だけど、いまは背中を任せられる強い仲間がいた。
「そっちはどうだ、って……訊くまでもねぇか」
自分の周囲が開けたことを確認し、グリムは少女に声をかける。
ただ、やはり心配など無用のようだった。
「ホントに、すげぇな……」
初老の冒険者は一言。
一心不乱にレライエを打倒す少女に、そう称した。
◆
――彼女の一撃は、雷の如く。
リュカが振り下ろす拳は、鋭くレライエの骨子を砕いてみせた。
――彼女の一撃は、疾風の如く。
リュカの攻撃はすべてが、視認可能の領域外にあった。
「…………!」
一つ、呼吸を入れる。
二つ、脚に力を込める。
三つ、力の限り打ち込む。
リュカの行っている戦法は、ただそれだけだった。
とても単純で、それゆえ明快な強者の戦い方。
だが、レライエ相手なら十分だ。
「はぁ…………!」
彼らの断末魔の叫びの最中に、リュカの呼吸が聞こえる。
しかし、それも本当に束の間でしかない。
貫く、ただ速く。
貫く、ただ強く。
彼女の戦いはまさに、疾風迅雷。
粗削りながらも他を圧倒する戦闘能力は、唯一無二のものだった。
「最後……!」
そして、ついに終わりを迎える。
最後の一体。
それが身じろぎ一つする前に、リュカは一直線に拳を打ち込んだ。
――魔石の光が、宙に舞う。
それを見上げる少女の背中は、誰よりも小さく逞しかった……。
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