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 皇都に帰るときは、皆一緒だ。

 

 エドが大型の長距離移動向けの馬車を用意してくれたので、七人で乗り込むことができた。

 八人乗りの馬車なんてあまり見ないよね。

 

 帰りの話題と言えば、エトール領のこれからの事。

 身分も家門も関係なく、全員がエトール兄妹のために話し合おうということで、完全に無礼講です。

 

「本当に、とても、森しかない土地なんです。」

 

「ならば木工で何か作るとか?」

 

 エトール嬢が領地を思い出すが、森しか出てこないらしい。

 ミハエルが意見を出してみるけど、木工はありふれた事業とも言える。

 

「そもそも何の木なのかにもよるんじゃない?」

 

「だったらこの後寄ってみます? 一泊くらいならなんとかなるかと。」

 

 エトール領は皇都から北側にあるから、休憩がてら寄るくらいはなんとかなる。

 アリスは、友人であるエトール嬢のために積極的に見える。

 

「でもエドワード様、あの、お仕事があるのでは?」

 

「問題ない。私が不在の間、リンが殿下の世話をやいてくれることになっている。」

 

「えっ、何の賄賂渡したらリンにそんなこと頼めるの?」

 

「秘密だ。」

 

 えー、その秘密知りたい。

 レオに頼むのでも良いけど。

 

「アディはどうですか?」

 

「大丈夫だよ。俺は夏期休暇の間、皇都から離れているのが仕事だから。」

 

 アリス、ミハエル、エトール兄妹が「?」って顔になっているなか、ノアルトだけ平然と皆にお茶を用意している。

 ところでエド、侯爵家次男の給仕は良いの?

 

 今は公爵家とユアランス侯爵家で、バチバチしてるからね。

 あまりいがみ合いが酷いのは良くないから、俺ひとりきりのときに公爵家の人間と対決するのを避けてほしいらしい。

 

 まぁ、陛下からしたら複雑だよね。

 甥は可愛いのだろうけど、国で唯一の魔力眼と精獣を持つ戦争抑止役の俺との対決は困るだろうから。

 しかも前に皇太子殿下は、ユアランスとアイティヴェルに味方したし。

 

 解ってるけど、それでも俺の最上位はアリスで、ユアランス侯爵家としてもそこは譲らない構えを父も示している。

 

 

 

 エトール領は、本当に森しかなかった。

 

 知らなかった、領都に宿がひとつしかないなんてこともあるのか。

 宿に泊まるのでも良いかと思ったけど、どう見ても貴族向けじゃないのでエトール邸に泊めてもらえることになった。

 宿の人にも宿泊客にも迷惑はかけられないからね。

 

「ハンナ! やるわよ!」

 

「はい、お嬢様!」

 

 エトール伯爵家は、誰も居なかったこともあり、埃が積もってる状態だった。

 見かねたアリスとミハエルは、アイティヴェルの使用人に掃除を命じた 。

 

「アリス様、そんな、申し訳ないです!」

 

「今日は最低限のみなので遠慮しないで下さい。また改めて来ますから、その時は不要な家財などを処分しましょう!」

 

 つまり、罰せられた奴等の物を捨てて模様替えをしようと言っているのだろう。

 邸への立ち入り調査は終わってるらしいから、別に構わないし手伝うけどね。

 

「ハンナ、売れそうな物は纏めといてくれる?」

 

 後から知ったんだけど、ハンナは客室を片付けて趣味の独特なガラクタ家具を全て伯爵の自室に突っ込んだらしい。

 

 

 片付けが追い付かなくて、個室は諦めて男女に別れて泊まることになった。

 従者や騎士は、数人を残し後は街の宿を使ってもらった。

 



ストックが減ってきて焦ってます‥‥


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