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「領地で採れた宝石で装飾品とかどうかしら?」

 

「母上。あまり時間がかかる品だと、出来あがる前に兄上が義姉上欠乏症で死んでしまいます。」

 

「でも、アリスちゃんのためなら一から作りたいわ」

 

「長男が生命の危機でも‥‥ですか?」

 

「義娘のためよ!」

 

 

 何故こうなった。

 

 アイティヴェル領への手土産どうしようかなってビリーと話してたら、弟が来て事情を知って、いつの間にか母上まで参加して話し合い。

 

 アリス欠乏症って何。

 

 次男、ノアルト・ユアランス。

 以前にアリスとのデートのときにも、衣装を相談をした弟がノアルトだ。

 ふたつ年下の弟であり、将来は俺の補佐役かな。

 

「兄上、今回は僕も同行して宜しいですか?」

 

「次男のノアまで皇都を離れるのは、さすがに父上が反対するのではないか?」

 

「大丈夫です。僕は母上の護衛であり、観光のお供ですから。皇都には父が残れば十分でしょう。」

 

「えっ、母上行かれるのですか!?」

 

「もちろんよ!」

 

 侯爵夫人の訪問なんてアイティヴェルが大変なんじゃないかと思ったが、ノアに「兄上が行く時点で大変です」と言われてしまった。

 

 いつの間にか母上の同行が決まっていて、ノアが行くことになって、なかなか大変な旅になりそう。

 

 そんな話をノアとしている間に母上は、最近採れた上質な宝石を確認するために父の所に行ってしまった。

 

「兄上、僕を連れてくと便利ですよ?」

 

「弟を便利かどうかで見たことはない。」

 

「格好良い兄上で弟は幸せです。」

 

 でも、アリスとデートする間、母上を放置しなくて済むのは助かるかな。

 母上は意外と頑固だから、行くってきかないだろうし、多分父上でも止められないから。

 

 ノアなら護衛としては十分すぎる。

 経験が足りないが、護衛対象が家族なら出来ることも増えるだろう。

 後ろに控える必要はないし、母に腕を組める距離に居てもらえばだいたいはすぐに対処できる。

 優秀なノアなら、腕を組まれてても魔法の行使には何の問題もない。

 

 ノアは、十三歳にして既に特級魔導師だ。

 得意なのは水魔法。

 魔力量は多めなのに行使する魔法は繊細で、魔力量で押しきる俺とは違う方向に天才だ。

 

 器用で羨ましい。

 

 前にノアが、弟たちに水魔法で蝶や花、魚を創って見せていたが、俺にはできなかった。

 正確には、巨大魚の氷になってしまって、可愛さの欠片もなかった。

 何故かノアは褒めてくれて、二番目の弟は爆笑だった。

 もう一度練習してみようかな?

 

 

 

 その夜、ユアランス侯爵家家族会議が開かれた。

 

 

 

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