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皇太子殿下 ウィリアム

 


 

 私の執務室まで来て、わざわざ仕事を手伝って、アルが聞いたことはエドの恋事情。

 

「エドは、婚約者を大切にしてるけど、恋かと言われると悩むね。好きではあると思うけど。」

 

 アルが友人であるエドの婚約事情を知らないのは、アルの性格もあるだろうが、ユアランス令息襲撃事件の頃なのだから仕方ない。

 

 エドは、間違いなく婚約者を好きだと思う。

 どうでも良い政略だけの相手なら、適当に片付ければ済むのに、エドは鍵をかけた犯人探しをしている。

 

 

 あ、そういえば、アルには聞いたことなかったな。

 

 

「なぁ、崖に私とアリス嬢がぶら下がっているとして、どちらかしか助けられない状況なら、お前はどちらを助ける?」

 

 側近に婚約者ができたら聞くことにしている。

 側近に任命した頃、アルはアリス嬢と離れていたから聞いていなかったが、エドには尋ねている。

 婚約者が居ないレオとリンにはまだだけど。

 

「アリスです。」

 

 まさかの即答。

 急な話に驚くとか、考え込むとか、アルにはそういうのないわけ?

 

「私は死んでも良いのか?」

 

「ウィルのことはヴィーツアとフローに任せます。」

 

 あー、その手があったか。

 アルってひとりで居ても、精獣を呼び出せるから正確にはひとりじゃないのだったな。

 

「精獣は出払っていて居ないことにしようか。」

 

「それでもアリスです。」

 

 なるほど、答えは変わらないか。

 そしてまた即答。

 


「私は皇太子だが?」

 


「そうですね。でも、アリスの方が筋力がないのでアリスを引き上げてから、頑張って堪えて下さった殿下を引き上げます。アリスは女性で、殿下は男性ですから。」

 


 は?

 


 筋力?? 


 

  予想に反してまともな答えだな。

 ピリッとした空気が一瞬で戻ってしまった。

 それに、身分を持ち出して見ても呼び方が変わった程度で、考えは改めないようだ。

 

「うーん? 私が怪我して血を流していて、アリス嬢は無傷だったら?」

 

 なんだこのパターン。

 こんなことが人生で起こる方が難しいだろう。

 

「殿下の傷を凍らせて出血を止めてからアリスを助けて、それから殿下を助けます。」

 

「凍傷が辛そうだな。」

 

「出血が酷ければ意識が途絶える可能性がありますが、血を止めてしまえば痛いだけですから殿下なら堪えられるでしょう。」

 

 想定の中に、痛みで気絶ってパターンはないのか。

 なんか、頑張ればできる! って言われてる気がしてきた。

 

「はぁ。降参だ。」

 

「なにこれ?」

 

「エドにも聞いたことがあるんだよ。アルには聞いたことなかったなって。」

 

 エドは、即答で私だった。

 それは間違いなく私が皇太子で、側近からみれば主だからなのだろうな。

 

 正直、答えはどっちでも構わなかった。

 自分が選ばれても、国益を考えればそうなるかなって程度にしか思わないし、婚約者を選ぶなら国民を優先できる存在ってことだ。


 

「‥‥‥俺が選択を迫られるときは、何があってもアリスが優先だ。」

 

 知っています。

 そんな改めて言わなくても。

 

「けど、ウィルのことは親友だと思っているよ。いつか、国益のために裏切られる未来が存在したとしても。」

 

 それは、ありえる話なんだろうな。

 私はいつだって、友より、家族より、民と国を優先させる義務があるのだから。


 

「有り難う。まぁ、そんなことにならないように、選択を迫られる可能性は全て潰しながら生きていくよ。」

 


 そう、事前に全て刈り取れば良いだけ。

 危険は全て、根ごと排除する。

 

「‥‥‥ウィル、その笑顔は怖すぎて、女性が見たら泣くかもよ?」

 

 賛同するセリフが返って来ないのが、とてもお前らしいね。

 

 

 

読んで下さり有り難うございます。

ウィルはカッコイイですね‥‥

(かっこよく見えてるといいな。)

書き始めたときは、もっと穏やかイメージで

こんなに好戦的な態度を出すとは

思っていませんでした。

他にも予想外な方面に走っているキャラもいますが。

コツコツ更新できるように頑張ります!

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