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アイティヴェル辺境伯家 アリス

※ 本日2回目の投稿です。

三章の一話目は前話です。

 

 

 馬車が急に止まりました。

 

「お嬢様! 鳥型の精獣と思われます!」

 

 鳥ってまさか。

 扉を開けて確認すると、翼に纏った綺麗な氷の結晶、間違いなくフロー様でした。

 

『アリス、主から遣いを頼まれて来た。』

 

 あぁ、アディ。

 また精獣様におつかいを頼んじゃったのですね。

 護衛のための騎士がざわつき、使用人まで慌てて私の傍に走ってきます。

 

「皆、落ちついて! この方は私の婚約者アルグランデ・ユアランス様の契約精獣です。」

 

 聞いた途端に騎士と使用人が跪きました。

 

「精獣様、お初にお目にかかります。アイティヴェル騎士団団長トールでございます。」

 

『面を上げよ。アリス、主から手紙だ。』

 

 手紙?

 封筒がとても分厚いです。

 何枚書いたの、アディ。

 

 ハンナがペーパーナイフをすっと出してくれたので中身を確認する。

 

 一枚目だけすぐに読んでほしいと書いてあった。

 内容は、フロー様を付けると言うこと。

 

「フロー様、本当に宜しいのですか?」

 

『良い。旅路を共にするくらい容易い。』

 

 

 フロー様は、馬車の上に待機することになりました。

 

 精獣様が居るので、弱い魔物は寄り付いてきません。

 寄ってきた魔物が気付いて、慌てて引き返したこともあったそうです。

 

 さらに、馬車の屋根にフロー様がいると室内が涼しいです。

 有難いのですが‥‥ アディ、“涼しくなるよ” って書いていますが、精獣様をこんな風に扱って大丈夫なんでしょうか?

 

 手紙の一枚目は、フロー様を護衛に付ける、了承しないなら皇都を飛び出して自身が向かうと書いていました。

 

 二枚目には、事件について。

 男子生徒は隣国からの留学生で、異性に対して奔放な国の文化通りの男だったため、醜聞が加速して広まったとのこと。

 そしてその男をファンブレイブ様が捕まえて、黒幕を吐かせようとしていること。

 手紙には “エドを怒らせるなんて勇気あるよな” って書いてあります。

 

 三枚目は、私に対すること。

 領地に帰ることに反対はなく、安全面の心配をしていると書いてあります。

 寂しいけど事後処理は任せて、という内容に安心しました。

 

 四枚目は、ファンブレイブ様からでした。

 達筆で几帳面さが分かる筆跡で “アンジェのことをお願い致します ” と書いてあった。

 それから、アンジェ嬢の苦手なことなどの注意事項があれこれ書いてあります。

 アンジェ様が自分からは言えないだろうから書いたって言ってるけど、これは‥‥‥ とても過保護な一面です。

 

 ファンブレイブ様っていつも冷静で、表情があまり変わらない方なのだと思っていました。

 認識が間違っていたのかも。

 この文面から察するに、ファンブレイブ様も少なからずアンジェ様を想っているはず。

 

 きっかけが必要なだけかも。

 

 私は、手紙に作戦書を付けて、領地に到着次第フロー様に届けて頂こうと決めました。

 

 

 

ミハエル、

さらっとアリスの護衛に団長をつけていました。


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