ファンブレイブ侯爵家 エドワード ②
※本日2回目の投稿です。
私たちの婚約は、当事者ふたりが同意した時点でほぼ確定だ。
父には好きにして良いと言われているし、エトール伯爵家に選択権はないだろう。
エトール伯爵夫妻を呼び出し、婚約の挨拶をすることになった。
「エドワード様!」
玄関で出迎えた私に、馬車から降りてきたアンジェは元気いっぱいだ。
両親には事前にアンジェの痣のことを伝え、協力を頼んでいる。
母なんて憤慨していた。
「アンジェ、元気にしていましたか?」
これも事前に決めていた。
何かあったなら体調不良を訴える約束だ。
「はい!」
どうやら何もされなかったらしいな。
婚約の挨拶を前にして何かするようなグズなら、容赦なく消すつもりだったけど。
正直、伯爵からの挨拶は記憶にすら残らなかった。
「当人たちの了承をもとに、婚約することになりましたので、伯爵には署名をお願いしたい。」
「えっ、あ、はい。」
婚約させて下さい、なんて下からの物言い父はしなかった。
まだ十歳の女の子に痣ができる環境を知って、伯爵に対して軽蔑しているのだろう。
アンジェはハッキリ言わなかったけど、宣言通りちゃんと調べて確定したからね。
「では、婚約は成立ですね。義娘のアンジェがこの家に嫁ぐまで、傷ひとつないように、蝶よ花よと大切に育てて下さいね。」
父がそう言うと、伯爵はアンジェを睨み付けた。
告げ口されたと思ったのだろう。
「そうですね、父上。私はアンジェとは何でも話せる夫婦になりたいと思っています。父上と母上のように。」
アンジェが顔を赤くして湯だっている。
なんというか年相応だな。
伯爵は筒抜けだと言われたようで顔色を悪くした。
こうして、十歳の私たちは婚約した。
学園に入ってから、アンジェは楽しそうにアイティヴェル嬢との話をしてくれた。
頂いた化粧品がとても肌に合うらしく、赤くなることも減ったと笑顔を見せてくれた。
しかし、公女様襲撃事件の後、調査に没頭してしまいアンジェと会う時間が減ってしまった。
おまけに、ユアランスと公爵家に亀裂が入ったとことで、事態がややこしくなった。
事件の際、助けに入ったのは、アグニエイトとユアランスだというのに。
そして、事件が起きた。
アンジェが悪いとは全く思わない。
倉庫に行ったのも、仕方ない何かがあったのだろう。
醜聞に至っては、全く信じていない。
アンジェは、うちの母上の言い付けを守って男性とふたりになることは絶対にしない。
護衛であっても、必ず女性の使用人を付けるように言われている。
母はアンジェを疑っているのではなく、ファンブレイブを妬む輩から守るためだと教えていた。
悪いというなら、むしろ私の方だ。
聖女から絡まれていることも、兄のアイザックから責められているのも、本来なら私が対処すべきことだった。
アイティヴェル兄妹には、頭が上がらないな。
ウィルにも「もう少し視界を広く持とうな」と言われてしまいました。
アンジェは、怖かっただろうな。
いつだって、アンジェは宰相一家の婚約者として、規律に厳しく過ごしてきてくれた。
会えなくても文句なんて言わない。
私に寄りかかるより自立を心がけている。
それに甘えてしまった私がいけなかった。
頼りにされようと努力が必要だったのだ。
アンジェ。
必ず迎えに行くから、待っていてほしい。
これにて二章完結になります。
三章は既にストックため途中なので
早めに更新できるようにもう少し頑張ります。
近いうちに三章開始します。
三章はアディにとって夢いっぱいの
アイティヴェル領!
アルグランデとアリスのこれからと、
頑張るエドワードと健気なアンジェを
応援よろしくお願いします!




