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騒動より大切なこと

 

 

「あの、ユアランス様、聖女様は」

 

「アリス。アリスは俺のこと、もうアディと呼んではくれないの?」

 

「え? さっき聖女様には」

 

 アリス?

 

 アリスは婚約者で、聖女は他人だよ。

 まさか聖女は既にアリスを萎縮させる何かをしているのか?

 許すまじ。

 

「俺を名前で呼べるのは家族と、家族になるアリスだけって決めてるから。」

 

 アリスが驚いたのか慌てて俯いてしまったが、今日のアリスは髪をひとつに結っているので火照った耳が見えている。

 どうしよう、可愛すぎる。

 

「ねぇ、アリス。アリスの髪はいつも専属のメイドが結っているの?」

 

「え? はい。八年前から私の専属をしているハンナが毎日してくれています。」

 

 アリスが言うには、クリーム色の髪が可愛い侍女で、普段から衣装や髪を整えてくれていると言う。

 アリスが笑顔で話す様子から察して、その侍女を親しく大事にしていることが伺える。

 

 是非、お礼が言いたい。

 可愛いアリスを可愛くてしてくれて、今日この髪型にしてくれて。

 

「あの、もしかしてこの髪型が似合ってないのでしょうか?」

 

 誤解させてしまった。

 しかし、こんなに可愛いアリスに似合わない髪型なんてあるのか?

 残念ながら今まで女性の髪型なんて気にしたことなかったから、アリスに似合うのかどうか、俺の貧弱な脳ではイメージすることすら出来ない。

 

「そんな訳ないよ。その髪型だってよく似合っているし、アリスのために尽くしてくれているならそのメイドにも是非挨拶したいな。昔はそこまで出来ない子どもだったからさ。」

 

 是非、アリスに贈る装飾品の相談をしたい。

 似合うだけでなく、アリスの好みを最大限知って贈り物をしたいのだから、ハンナの協力は絶対必要だ。

 

「あの、ハンナなら今日の迎えに来ると思いますが?」

 

 会わせてくれるの?

 どうしよう! 嬉しい!

 アイティヴェル家は、使用人とて大事に扱うと有名な家門。

 俺はアリスの専属に合わせてもらえる人間ってことだよね!

 

 そわそわしている気持ちを隠して、俺は楽しい気持ちだけ残して笑顔になった。

 

「なら、こうしない?」

 


侍女にアルを喜ばせる意図はありません。

頑張れ、アル!


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