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エトール伯爵家 アンジェ

□エトール伯爵家 アンジェ

 

 


 今日は待ちに待ったアリス様とのお茶会です。

 とても楽しみにしていました。

 

 まさか、アイティヴェル邸にお招き頂けるなんて、幸せの極みです。

 

 アリス様は、美しいだけではなく、身分に問わず皆に優しい方で、とても尊敬しています。

 先日も祖父の形見のペンを失くして泣いていた子爵令嬢のために、何時間もペンを探していました。

 


 案内されたのは、とても綺麗な庭園。

 その中央に、屋根付きのテーブルセットがあります。

 

「此処でお兄様とお茶したり、ひとりで読書することもあるのです。私、お花が好きでして。」

 

 なんて優雅なの。

 エドワード様と婚約してから付き合いが増えて、お茶会に呼ばれることも増えたけど、こんな綺麗な庭園見たことがないわ。

 

「ユアランス侯爵家の庭園程ではないかもしれませんが、庭師の方が頑張って下さって。」

 

 ユアランス侯爵邸には行ったことがありません。

 庭を愛でる趣味な婚約者同士なのかしら?

 

 既にお菓子が用意されていて、メイドが給仕をしてくれている。

 

 そして、メイドたちは全て下がってしまった。

 

「あの、アリス様?」

 

「用があるときはベルを鳴らします。私は、アンジェ様とふたりでゆっくり話してみたかったのです。」

 

 そう言ってふんわり笑うアリス様は、とても可愛かったです。

 

 アリス様は、夜会での話を覚えて下さっていて、私に化粧水や保湿用品を見せて下さった。

 

 お言葉に甘えて少し使用させて頂いたが、化粧水は肌に吸い込まれるように入っていき使用感も良かった。

 

 なにより、赤くなったり痒くなったりもしない。

 

 化粧水も含めて、保湿用品は種類が多くて驚いた。

 顔用、身体用、夜用などの種類があるらしい。

 

「夜用っていうのは、何が違うのですか?」

 

「保湿に加えて日焼けのケアと、眠りを補佐するために香りを加えています。」

 

 肌が弱い私は、化粧品ひとつでも探すのがとても大変で、当然化粧水すら肌に合うものがに出逢えることは少ない。

 なのに、アリス様の用意して下さった物は、痛みも痒みも起こらなかった。

 アリス様は、そこまで想定しているのか、近くには拭き取り用の布と、ぬるま湯を用意してくれていた。

 

「私の侍女は、陽の光を長時間浴びると皮膚が痒くなるらしく、そのために色々作ってみたのです。」

 

 アリス様は、“侍女は” と言った。

 私が肌が弱いと理解しつつ、私が明言をしないから言い方を工夫してくれているのでしょう。

 メイドたちを下がらせたのも、私の話を聞かれないようにする心遣いだったのかもしれないわ。

 

 なんて、優しい方。

 

「私、肌が弱くて、それが悩みなのです。これらを購入させて頂くことは可能でしょうか?」

 

 不安そうに話す私の手を、アリス様の両手が包んで下さった。

 

「これは、差し上げるつもりで作りました。」

 

 化粧品とは高価であり、良い品ならそれだけで高値がついても多くの人に求められます。

 これはそういう品です。

 

 どうしましょう。

 

 

 

 

ブクマ、☆☆☆☆☆、いいね など

有り難うございます!

アンジェのことも応援してもらえたら嬉しいです!

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