ユアランス侯爵家執事 ビリー
□ユアランス侯爵家アルグランデ付き執事 ビリー
侯爵様の執務室から戻ったアルグランデ様は、自室に戻ってきてから部屋を見渡して何かを探している。
「何かお探しですか?」
「あぁ、これを飾りたくて。」
え。これって、あれだよな?
目の前にあるのは、桃色の花を持ったウサギ。
「ずいぶん可愛いですね。」
「アリスが贈ってくれた物だからな。」
ん?
「いや、それは知ってますよ。婚約者様が居て自分用に購入する人はいないでしょう。」
「そうなのか?」
あー、知らなかったのか。
心配になって尋ねてみたら、アリス様に揃いの品をききちんと贈っていた。
寧ろ、知らないアルグランデ様と贈り合うって、アリス様どうやったのですか。
「これ有名な物なのか?」
これは皇都で流行っている品だ。
恋人同士で贈り合うと 、“幸せ” が長続きすると言われているおまじない的品物だ。
名前は “ウサギ様”。
効果を賜った女性たちが、感謝の気持ちを込めてそう呼ぶようになったらしい。
実はこれ、浮気防止のアイテムでもある。
男性の部屋に可愛らしいウサギの硝子細工があれば、確実に女性からの贈り物だ。
男性の部屋に来た女性を牽制する効果がある。
更に、花の色を恋人のものにすることで、男性にもいつも自分を思い出してもらえるってことらしい。
良い思い出付きで贈ることで効果が更に上がるらしいです。
なんて言われてます。
「アリスは、俺の浮気を心配して‥‥?」
「そんなわけないでしょう。」
四六時中アリス様のことばかり考えているのに、それが伝わっていないなんて惨事はないと思いたい。
確かにアルグランデ様は、街を歩けば煩わしいくらい視線を浴びるし、声もかけられるけど、アリス様に対するときとは全くの別人だ。
アリス様には息をするように「可愛い」と伝え、そのときのアルグランデ様の表情や声はとんでもなく甘い。
アリス様が女性人気が好ましくないと思っていたとしても、本気で浮気の心配はないだろう。
「最近は、恋愛成就アイテムとして有名らしいです。恋人と持つことで幸せな気持ちになれると、昔より大人気です。」
「‥‥‥‥‥恋人」
アルグランデ様、その言葉で顔を赤らめるのはどうかと思います。
子どもの頃から婚約者だったでしょうに。
「とあるご令嬢がウサギ様を男性と交換した後にご結婚されたそうで、その話を幸せそうに話したのが広まったらいしいですよ。」
「へぇ。あ、花ではなく、クローバーのウサギも居たと思うが?」
「それはお一人様、もしくは同姓の友人用らしいです。」
「これを自室に置くと、何もない執務室が寂しくなるのだが、何か良い案はないか?」
「アリス様に相談しましょう。」
アルグランデ様、本当に知らないのですね。
本当にそのウサギ様と同じ物を見たことないですか?
デートに関する内容はここで区切りになります。
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