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デート

 

 

 舞台は人が多かったが、ボックス席だったので落ちついて観賞できたと思う。

 

 アリスは知らなかったみたいだけど、だいたいの劇場では侯爵家以上のために幾つか席が用意されている。

 母がこの仕組みを利用して、チケットを取っていることは知っていたから今回はこれを利用した。

 

 内容としては、令嬢が歌声に魔力をのせて戦い、旅の果てに出逢った男性と恋に落ちる話。

 

 歌声が武器ってすごくない?

 

 なんて思ったりしたけど、行きの馬車の中で「観客は、もし自分だったら、と思ってしまうのでしょうね。」とアリスに言われたのでそう考えてみた。

 

 その結果、泣いてるアリスにハンカチを差し出したところまでは良かったが。

 

「アディ」

 

 と、優しく微笑まれて アリスにハンカチで目元をそっと拭われた。

 そんな情けない俺に対してアリスは、残念そうな顔をすることは一切なく優しい顔をしていた。

 

 男女で来て揃って涙目になったのは、俺たちだけかもしれないけど、最後ヒロイン死んじゃうんだよ?

 俺がアリスを置いて死ぬなんて考えたくもない。

 

「一緒に長生きしましょうね。」

 

 アリスには、思ってることが筒抜けなのかもしれない。

 

 俺は隣に座っていたアリスの手を握って「約束」と声にして嬉しさを噛み締める。

 

 

 余談だが、アリスは主演の女優ばかり見ていて、王子役の美形には興味ないのかとちょっと安心したのは内緒だ。

 女優や男優にはデレデレしないのはマナー。

 嫉妬するのは舞台ファンには無粋。

 それが母の教えだからね。

 

 

 

 

「わぁっ!!」

 

 アリスがデザートを見て嬉しそうだ。

 瞳がキラキラしている。

 

 訪れたカフェは、カットフルーツをふんだんに使ったデザートが人気の店だ。

 多少値が張るので、貴族女子や商家の女性などの間で話題になっているらしい。

 

 アリスが頼んだのはメロンのパフェ。

 大胆にカットされたメロンが堂々と鎮座する圧巻の逸品だ。

 

 俺はアリスが迷ってた柑橘のゼリーにした。

 

「私、果物が好きなんです!」

 

「なら時々デートで訪れたいね。」

 

「はいっ!」

 

 あぁ~、幸せだ。

 

 入店できるまで外で並んだが、その間は舞台の話をしながら手を繋いで過ごした。

 俺は母上に付き合って舞台を見に行く度に「気のきく感想を言いなさい」と教育されて育ったからね。

 ユアランス侯爵家には娘がいないから、俺と弟たちはこうなる運命だ。

 

 店内に入ってからもアリスは楽しそうで、食の好みも知ることができた。

 そしてまたデートしてもらえる!

 

 あ、帰ったらフルーツの仕入れ増やしてもらえるようにしようかな。

 領地に果樹園も欲しいが、それは父に確認しないとかな。

 

 

 

 店を出て、手を差し出せばアリスが微笑んで手を重ねてくれる。

 

 雑貨屋など色々なお店を見て回った。

 

「アリス。たくさん歩いたけど足は痛くない? 靴擦れとかになってない?」

 

「はい。歩きやすい靴にしたので。」

 

 

 一度立ち止まってそんな話をした矢先、近い距離から女性の悲鳴が聞こえた。

 

 

「アディ、私は大丈夫ですから!」

 

「アリスを頼む!」

 

 突如顕現した精獣に周りは騒がしくなった。 

 

 

 

母の教育が行き届いているユアランスの子息たちはとても紳士的で女性からの人気も高いです。


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大変嬉しいです。励みになります。

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