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未遂事件

二章開始です。

待っていて下さった方、心から有り難うございます。

今後もアディとアリスを応援して下さい!

 

 


 アリスと想い通わせることができて、俺は今人生で一番の幸運期のはずだ。

 

 アリスが傍に居てくれるなら、俺は幸せな日々を更新して生きていけるのだろう。

 

 

 

 * * * *

 

 

 

 夜会が終わってから、アリスの評判が真っ二つに別れたと報告を受けた。

 

 俺の有する “お使い” は所謂密偵と呼ばれるような存在で、ユアランス侯爵家で雇っている者は使わずに俺個人で雇っている。

 

 

 

 一つ目は、アリスへの好評。

 

 美しく、礼儀正しく、なにより慈悲深い。

 そんなアリスが、人々から好かれるのは当然であり、即ちこれは真っ当な評価である。

 

 そして決め手になったのは、アリスが夜会で来たドレスだ。

 人々の間、特に令嬢の間では「あれはまさしく寵愛の証」と正しく認識してくれている。

 

 

 

 二つ目は、聖女からユアランス次期侯爵を奪った悪女という悪評。

 

 傷を理由にアリスが俺を脅迫しているという噂らしいが、普段のアリスを見ていれば事実ではないと分かると思う。

 

 っていうか、奪ったっておかしくない?

 

 俺がアリスと出逢ったのも婚約したのも、聖女と知り合う前だけど。

 

 こんな矛盾だらけの噂は逆に難しい。

 

 

 

『聡明なアリスなら自分で解決するのではないか?』

 

 フローが勝手に顕現して声を発する。

 

『気高く慈悲深いアリスは、主君が愛した未来の伴侶だからな。』

 

 やめてくれヴィーツア。

 此処は自室で、 “使い” が消えた今は俺しか居ないが、さすがに恥ずかしい。

 

 

  

 契約したからって、精霊も精獣も話せるようになるなんて聞いたことない。

 

 ヴィーツアもフローも、人語は理解しているとは思ってはいても鳴き声か唸り声しか聞いたことなかった。

 

 

 それが。

 

 

 夜会の翌日、アリスと想いを通わせることができた俺は、歓喜のあまり魔力が噴火してしまった。

 

 屋外なら大きな魔法を放てば済んだかもしれないが、邸が酷いことになるからできるわけもなく。

 

 それをフローとヴィーツアが、頑張って全て吸収してくれた。

 

 アリスを物凄く驚かせてしまったし、心配かけてしまったけど、アリスは精獣たちに凄く感謝していた。

 

 アリスが精獣を「有り難う」と抱きしめていて、正直羨ましくて仕方なかったけど。

 それに、魔力暴発未遂事件なんて起きてしまったせいで、俺はアリスと恋人らしいことは出来ていない。


 そしたら、ふたりが『アリス、怪我はないか?』『驚いただろうが主を嫌いにならないでくれ』とまさかの返事をした。

 

 アリスが「大丈夫です」「なりませんよ」と返事をしたことに俺は歓喜していたが、暴発の気配に駆けつけた両親は大騒ぎ。

 


 精獣が喋るなんて聞いたことない!!



 って、すぐに皇宮に執事を走らせていた。

 

 そのまま父上に引っ張られて登城することになったので、アリスとデートすることができなかった。

 


 陛下の前でウィルに「あぁ、アリス嬢に告白でもして魔力暴走か?」とニヤニヤ言われたのは恥ずかしかった。

 

 それを聞いた陛下と両親が祝杯をあげたのだ。

 

 やめてくれ。 

 


精霊→精獣になったと言われていますが、精獣の契約はアルグランデしか成功しておらず真偽は不明。

精獣の状態で出会っていますからね。

そもそも精獣に出会えることすら神秘的確率。


今後とも応援してくれたら嬉しいです。

二章は少し落ち着いてコツコツ更新を目指します。

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