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五年の日々

 

 

「私は、アディが大変な思いをしている五年間、婚約者としての責務を果たさず好きに過ごしてしまいました。そんな私が侯爵家に嫁ぐなんて‥‥ 罪悪感が消えないのです。」

 

 そこまでアリスは悩んでいたのだ。

 

 気にしないでって言っても、アリスは優しいからそうもいかないのだろう。

 

「好きに過ごしていたってどんなことしてたの?」

 

「その、植物の世話をしたり、運動したくて訓練場を走り回ったり、興味あることだけを勉強したり。」

 

 花が好きなことは知っていたし、入学試験が七位だったのだから勉強の内容はしっかりしたものだっただろう。

 運動が好きなことだけは知らなかったな。

 今度一緒に何かしてみたい。

 

 しかしこれは、もう重いとか気にしないで話した方が良いだろうな。

 

「俺も好きなことだけしていたよ。」

 

 アリスに心配かけたくなくて魔法の訓練を始めた。

 アリスに喜んで欲しくて新しい魔法をいくつか作ってみた。

 アリスを何者からも守れるように剣を学んだ。

 

 ここまで話して、俺は覚悟を決めて続けた。

 

「俺はアリスが好きで好きなことをして、アリスは俺が好きで療養のために好きなことをしてた。当時の俺たちは幼かったから、将来のためにとても必要なことだったと思う。」

 

 アリスが真っ赤だ。

 

「それに、ミハエルから内緒で聞いたんだけど、領地に帰った後しばらくは俺を想って寂しかったんだよね? 俺とお揃いだね。」

 

「お兄様なんてことを!」

 

 恥ずかしさが限界のアリスは湯気が出てきそうな勢いだ。

 


「でもね、君が償いたなら機会を与えるよ?」

 

 俺の言葉にハッとしてアリスは「お願いします」と覚悟を決めた。


 

「俺に寂しい思いをさせたのだから、その分これからはずっと一緒に居て。」


 

「‥‥‥‥‥‥ 」


 

「アリスの未来を俺に共に歩ませてほしい。」


 

「‥‥‥‥はい」


 

 アリスは桃色の瞳からたくさんの涙を落として、それでもハッキリと返事をしてくれた。

 


「アディ、好きです。一緒に居て下さい。」


 

 アリスは俺にそう言ってくれた。

 

 明日俺は死ぬのだろうか。

 いやいや、アリスのために長生きしないと。

 

 これからは、アリスを幸せにするために頑張ってみるからね。

 

 

 

一章これにて完結です。

現在二章書いてるので、書き直さないって心が決まったら更新を始めます。


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魔法や剣術も登場するアディとアリスの二章

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