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婚約解消も婚約破棄も事実ではありません ~最強魔導剣士の初恋の行方~  作者: 陽宮 葵
四章 教会の聖女とアイティヴェル
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愛の証明




 店を出た俺はとにかく深呼吸。

 間違いなく魔力眼が光っているはず。

 片手で顔を隠したままだ。


「ごめんアリス。もっと見たかったよね?」


「大丈夫です。貴方のその輝く美しい顔を人に見られたくなったので、私の我儘で店を出たのです。」


 これ以上は爆発する。

 物理的に。


 魔力暴発で怪我を負わせてしまった過去があるのに、アリスはこういう時でも、必ず傍に居て落ち着くのを待っていてくれる。


 落ち着いてきて、顔をあげられるようになるまで、アリスはずっと手を繋いで隣にいてくれた。



「そういえば、今回ちょっと特別な靴を作ってもらったのです。」


 普通のオシャレな靴に見える。

 足首を固定している部分に花の装飾なんかもあって可愛い。

 アリスがとても可愛い。


「特別?」


「ヒールが少し太めにできてまして、足首を固定する部分もあって、それから中もクッション性の高い素材を使っているとかで、とても歩きやすいのです。」


 ヒールのある靴を履いたことがないから、どう楽なのかは分からなかったけど、それでもアリスが歩きやすく気に入っているならそれで良い。


「実はこれ、討伐した際の魔物の素材を使っているのです。アイティヴェル領に研究所があって、今回はお願いして作ってもらいました。」


 研究施設?

 魔物の素材を有効活用できるなら、それは凄いことだと思う。

 国に報告はしてるのだろうか。


 けど、今はそれより気になることがある。


「ねぇアリス、もしかして今までのデートで靴擦れしてたり、足を痛めたりしていた?」


 アリスは何故か驚いたように固まってしまった。

 今まで足を痛めていたのに気付かなかったのだとしたら、俺は婚約者失格なのでは。


「え? …………あ、一度だけ?」


 何故首を傾げるのか。

 けど、やっぱり靴擦れしていたのか。


「気付かなくてごめん。今からでも抱えさせてくれないかな?」


「え…… え? 抱え??」


 アリスが固まってしまった。

 何に驚いたのだろう。


「嫌じゃないのですか?」


「アリスを抱きかかえて歩くことは至福だけど?」


「あ、いえ、あの…… 皇都では、魔物の素材を嫌悪する貴族が多いと聞いて、私入学するときに全て置いてきていて……」


 娘が万が一にも、アリスがイジメられたりしないように説得したのだろうな、辺境伯。

 そんなこと起こさせるわけないけど。


 というか、アリスが気になったのは、俺が嫌悪するのではないかってことだったのか。

 そこは別に気にしなくても何の問題もないのに。


「嫌だなんて思わないよ。討伐っていうのは人員も必要だけど、物凄くお金がかかるものだから、討伐した魔物を有効活用できているなら凄いと思う。」


「ほんとに?」


「ほんとに。一応討伐組織の責任者としての訓練も受けてるし、一度の討伐にどれだけ予算が必要か知ってるつもりだから、その成果を金銭に変えられるなんて立派な事業だと思う。」


 俺はアリスのしたいことは何だってさせてあげたい。

 そのための努力は何だってするつもりだ。


「アリス。俺の愛はこんなことでは何の影響も受けないよ。」


 アリスは桃色の愛らしい瞳を大きく開けて、こっちを見たまま動けないでいる。

 言葉を発しようとしているのか、口を開けてはまた閉じてしまう。

 優しい彼女のことだから、俺を傷つけない言葉を探しているのかもしれない。


「アリス。俺にチャンスをくれないかな? 改めてデートしてほしい。再来週とかどうだろうか。」


 来週はエトール嬢と約束があると事前に聞いていたから、再来週を提案した。

 俺としても準備は整えたいから丁度良い。


「はい。でも、あの、チャンスとは?」


 さっきまで固くなっていたアリスが、今度は頭にめいっぱいの疑問符を浮かべている。


 愛の証明って難しいな。



更新までお待たせしました。

大事な部分のデータも消えてしまったので

本当泣き……

一度消えたものは似たものは書けても

同じものは作れませんね。

データは大切。

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