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婚約解消も婚約破棄も事実ではありません ~最強魔導剣士の初恋の行方~  作者: 陽宮 葵
四章 教会の聖女とアイティヴェル
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婚約を解消する予定

皆様よい年をお過ごしください〜



 皆で軽口を叩きながらと菓子を食べて、少し雰囲気が和んだ気がした。


 皇太子殿下とその側近に呼ばれて話をするなんて、いくら婚約者がその場に居ても身構える部分もあっただろう。

 レオはそれに気付いていて、場を和ませるためにこんな可愛い菓子を用意したのかな。


「そういえば、気になってたんだけど、アリス嬢って聖女と話したことあるんだよね? 五年前にアルから贈り物をされたってアリス嬢に嘘を吐くくらいだから、婚約者って認識してると思ってたのに、何でお茶会では “今初めて知った” みたいな態度だったんだろうと思って。」


「俺も気になっていた。アリス、五年前あの女に嫌がらせされてたのか? 何されたのか教えてくれる?」


「アル兄顔が怖いよ。それに方向性変わってない?」


 リン、黙っていてほしい。

 五年前のことは、自分が情けなくて今まで聞けずにいたから、今がチャンスなんだ。


「アディと婚約してから、たまに聖女様を拝見する機会がありましたが、聖女様は私が誰か分かってなかったようです。贈り物の話も、私が近くに居たところを取り巻きと勘違いされて自慢された、という感じです。」



 ????



 理解できなかったのは俺だけじゃないはず。


「当時、【守護のユアランス】の令息と、【英雄のアイティヴェル】の姫君の婚約は帝国中でお祝いがされる程の大騒ぎだったのに??」


「アグニエイト様、私は姫君ではないですよ。」


「大騒ぎって何?」


「あ〜、ずっと難攻不落のアルに挑むなんて変だと思ってたけど、まさか婚約者が居ることを知らなかったのか?」


 聖女ってこういうの多いよね。

 一体どういうことだ? って皆がなるやつ。


「あの、殿下。聖女様はユアランス様に婚約者が居ることを知っていたはずです。婚約者が居ると指摘を受け、その、聖女様が『いずれ解消になる』と言っているのを聞いたことがあります。」


 は?


 いずれ解消になる?


 エトール嬢が勇気を出して発言した言葉に、皆が血の気が引いたような表情になる。



「そういえば、アイザック様にもいずれ婚約解消になる、というようなことを言われました。アディ、婚約を解消する予定とかありますか?」


「あるわけないだろう!」


「ですよね。」


 アリスは淡々としている。

 アイザックの言葉を信じてはいなかったようだ。


「ウィル、明日にでもアイザックに会いたいのだけど。」


「ダメ。」


 笑顔でバッサリと断られた。

 せめて理由くらい聞いてほしい。



 

 

レオが用意したケーキ

アルにはイヌ、アリスにはネコでした。


※理由

レオが夏期休暇の思い出をアルに尋ねたら

『猫を抱く美しいアリスを紙に残したかった』

という様子がなんとなく犬っぽく見えたから。


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