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第3話 新生活
王宮から追放された私は、すぐにザックス達と合流。
護衛してもらいながら、王都を出る事にした。
彼らは特別な地位にある騎士なので、王子の手の者達でも手出しができないのだ。
みじめったらしく生活するのを愉悦する、という方向に思考を誘導したのは私だが、この王都でその通りにするわけがない。
彼らの目の届く場所で働いていたら、気が休まるどころではないし、周りの人に迷惑がかかるかもしれないからだ。
好きの反対は無関心というけれど、本当にそう。
憎しみはあるけれど、これ以上自分の人生で無駄な時間を使いたくないので、関わり合いにならない方向でいきたい。
そういうわけで王都を出た私は、地図に載らないような辺境の村にたどりつき、そこで生活することになった。
そこでは、一からすべてを積み上げていかなければならないため、最初は大変な思いをした。
けれど、時々ザックス達が休日を使って助けにきてくれるため、思ったほど大変ではなかった。