仕事選び
将来について考えろっていわれるけどさあ、将来の仕事なんてわかんないよ。
そりゃそうだろ。そもそも仕事選びは、ここ100年くらいの話だ。それまでは職業選択の自由は、人類史上ほとんどなかった。狩猟、農耕、世襲、身分制度。それが明治維新を機に自由になるが、実質的な自由とはほど遠い。今まさに、インターネットも普及して本当の職業選択が始まろうとしている。だから、人類には職業選択の経験がなければ遺伝子もない。新しいことに飛び込まなければならないということだ。そして、簡単に自分が思うような最適解に辿り着くのは難しい。よっぽど職業選択に神経と意識を使って時間を投入すれば結果は変わるかもしれないが。そういう意味で、仕事選びは賭けでしかない。自分が知っている職業が、この世に存在する仕事の種類の一部でしかないということ、今存在する仕事ではなく、これから発生する仕事と呼ぶに相応しい行為が無制限に発生することというのが要因である。既存の仕事の中に自分のヒットがあるならばそれでいいが、100%ヒットするかといえばそれは少数派であると思う。ではそうすれば良いのか。それは、仕事選びを成功させるというより、良い生き方・働き方ができる人になる方が幸せになれるということだ。
どういうこと?
良い偶然を自分の力でつかめる人になることが幸せに一番近いということだ。これを「計画された偶然発生理論」という。高校生のお前が、今、人生の計画を立てようとも、その計画はそのままいくのは不可能に近い。そもそもその計画の途中で、思いはコロコロ変わる可能性がある。最初はこう考えていたけど、もしかしたら、自分の本当の気持ちはこうなんじゃないだろうかと。経験や使える言葉が増えてくるので、今まで考えることができなかった深い思考ができるようになるので、当たり前の現象だ。言葉が増えれば思考が深まる。そして言語化できるようになれば、自分が何を求めて、自分がどんな価値を持っているのかが分かるようになってくる。言語の量や種類が乏しい時に考えた将来は、大枠では合っていると思うが、その大枠の中から現実化していく過程で、細分化される。その時に、最初に決めたところにこだわりすぎると、本当にしたいことが分かったときに、その感情に蓋をすることになる。蓋をしない方が、最初の目標にこだわらない方が幸せになると薄々気づいているのに。
変えればいいじゃん。
その通りだ。個人のキャリアの8割は偶然で決まるといわれている。そのことを理解していれば簡単だ。大事なことは5つある。①好奇心②持続性③柔軟性④楽観性⑤冒険心。
へー。
人は好きなことに時間をかけた方が幸せになるのはよく分かるだろう。そして、じっくりのめり込むことが大事だ。しかしだ。のめり込みながらも、人の意見や自分の本当の気持ちと対話しながら、新しい考えを取り入れていく柔軟性が大事だ。コンピュータがアップデートするのと一緒だ。人間の思考も変わっていく。でも自分が柔軟で変わろうとしなければ良い変化はできない。そして気づいた変化を行動に移す勇気。楽観性と冒険心がないといつまで経っても停滞するだけだ。人間にはホメオスタシスといって、同じ場所にいたい、変えたくないという本能が根付いている。変化にはリスクがあるからだ。生存が脅かされるかもしれない、今居る土地を去ってさらにいい土地を探すとなると、思わぬ外敵がいるかもしれない。今のままでもまあまあ良いじゃないかという感情は本能から来ている。しかし、真の幸せとは自分の能力を限界まで使うところにあるのではないだろうか。今居る場所よりも良い場所があるかもしれないと思うのなら、行ってみるべきじゃないだろうか。まあまあの人生をこのまま続けるよりも、二度とない人生を求める人生の方が面白いのではないか。
難しいな。
視点を変えよう。好きなことを仕事にしようという言葉があるが、良く考えてほしい。それそのものが好きなのかどうか。例えばこんな考え方もできる。ゲームが好き、とうからゲーム会社という安易な考えではなく、ゲームが好きを分析する。ゲームで、戦略を考えることが好きなのかも知れない、また、物語に浸るのが好きなのかもしれない。戦略が好きなのなら、会社の経営方針を考えたりマーケティングの仕事が好きなのかもしれない、物語に浸るのが好きなのなら、小説家や漫画家が好きなのかもしれない。今どう思った?
自分の好きなことを考えてみた。
少し違う視点から見えたのではないか?それが経験であり、思考が深まるということだ。だから、思考を深めると自分がしたいことが分かってくるのだ。経験を積むと使える言葉が増えて、自分が何を考えているのかが分かってくる。言葉の数が考えの深さを決める。
なるほど。
だから、ざっくりで良いからまずは好きなことをヒントに考え始める。それと、とりあえず今の目標を決める。ワクワクする目標を。そしてその目標に期限を決める。考えは年月が経つと変わるから。一生の目標ではなく、とりあえず5年とか、10年とかの目標だ。その目標を達成しようと進める過程で、また新しい感情が生まれてくるものだ。人生はセレンディピティだ。
え、急になにそれ。
セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。とにかく、今ひとつのことに全力投球せよ。目標を決めて。




