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「あははは!あの魔法が無くても勝てそうじゃない?」
エレステインの大将軍グースラは勝利を確信したように笑った。
「こっちの被害が少なくなって越したことないだろ」
「それはそうだが…あの魔法の研究以外には全く興味がなかった王女様をどう口説いたのさ?」
「あ?口説いてない…」
「そう勿体ぶるなよ…何があっただろ?教えてくれよ」
この将軍…敵国軍には熱き殺意を浴びる程凄くモテるが…女には全くモテない哀れなおっさんだ。
「まあ…アレかな?初めて会った時…マタを握り潰されたのがキッカケかな?」
「な、な、な、なんと!あの王女様がそんな大胆な!」
その時…魔法陣が乱れて来た。
「そこぉ!黙りなさいよ!」
それを聞いたルーシルは顔を真っ赤にして焦った表情で怒り出した。