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「ルーシル!ありがとう!代わりに何だが…お茶ぐらい奢らせてくれよ!」
いやだった!
でも謝罪のつもりで苦手であった彼と一緒にお茶を飲みながら話しをした。
しかし、、彼の今までの旅の話しや冒険談を聞いて私は胸が躍った。
それにそれを話していた彼の顔は今まで見た事無かった…本当に純粋で無垢な笑顔だった。
その以降…私の目はいつも彼を追っていた。
魔王軍と戦いから戻って来たら一早く彼を迎えに行く事にまでなってしまった。
私は…バカ見たいに彼に惚れてしまった。
そして…魔王の侵略が激化して私も彼の力になりたくて勇者一行に加えてもらい一緒に魔王軍と戦った。
そして10年後…人類は魔王討伐連盟軍を編成して各国の軍と歴戦の英雄達と共に最終決戦に挑んだ。
無論…勇者と私も参戦した。
私は今まで研究を応用して魔法の中でも禁忌級の超魔法を編み出すことに成功した。
神に祈り…その悪しき存在を滅する魔法…すなわち…神の天誅!
魔王に恋人を殺されて…魔王との戦いのみ心の拠り所にしている彼を支えて生きたい。
全てが上手く行って…魔王を討伐したら…彼にこの気持ちを伝える!
しかし…その魔法は失敗…暴発して私は死んだ。
その後…私は前世の記憶を持ったままこの世界に生まれ変わった。
魔法もないこの世界…イネスも居ないこの世界…息する事すら辛かった。
孤独だった…寂しかった。
もう耐えられなくて…死のうとした。
その時…小さい子が現れた…。
その子は私の目に焼き付けられていたイネスの剣術を放った。
彼だと…イネスシャクラだと確信した!
あまりも嬉しくて気持ちを抑え切れずに泣いてしまった。
「遅い遅い遅い遅い遅い!ううわーーん」
「……」
こんな世界で彼と再会出来るとは夢にも思えなかった。