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彼が衣服屋に入ってから私も入った。
真剣に服選びをする姿は普通の男の子だった…何故かちょっと可愛くも見えた。
二つまで絞り込んでどれにしようか悩んでいた。
「…気になるなら両方買えば?」
「あ?…なんだ痴女か…そんな余裕なんぞないわ」
「誰が痴女よ!私が買ってあげるつもりだったけど…もういいわ!ふんっ!」
父上の不当な扱いとアレを捥いだ事で謝罪したい気持ちもあって…買ってあげるようかと思った。
「……お、お前…天使かよ!」
「お前じゃない!ルーシルよ!」
「ルーシル…ついでにあのパンツも買ってくれる?ちょっと高いけど…丈夫そうだからアレ一枚で一年は持ちそう!」
………それ洗ったらその後はどうするの?
こいつなら目には見えない魔法のパンツをはいてるとか言いそうだ…。
「わ、わかったわよ…二枚買いなさいよ」
「まじかよ!す、すいません!あのパンツ試着したいですが!」
…パンツを試着って…もう売り物にならないじゃないか!
「試着はいいから…ん?」
彼は下半身だけ裸になって既に試着の準備を整えていた。
しかも……ノーパンだった!
「試着室で脱ぎなさいよ!この変態勇者!」
「あ?今更何赤くなってるの?俺の玉を思いっ切り握りしめて潰したくせに…」
「ちょ…その話しはやめて!」
もういやだ…この人の思考にはついていけないわ。
「それに女より2~300グラム余分に肉がついているだけだろ?」
……あんたの男として尊厳は定肉店に切りさばいてる安売りのお肉と同等の価値ですか?
もう…お肉はしばらく食べたくない…。