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公園に着いたがルシールはまだ来てなかった。


暇になった俺は公園で遊んでるガキ達を見て微笑ましい気持ちと脱力感に襲われた。


本当に…この国は平和だ。


あれ程平和な世界を望んで死に物狂いで戦って来たのに平和な世界を目にすると…何故か虚しくなった。


それに父が本当に魔王なら…この子供の体では太刀打ち出来ない。


俺は公園の近くにある駄菓子屋で買った…うんめー棒を齧りながら悩み続けた。


「ごーめん!待った?」


ルシールの奴がやっと来た。


「15分遅刻だ…人の大事な時間を何だと思ってる!……罰でうんめー棒2個な…」


「………相変わらず安い男ね」


寛大と言えよ……。


「早く出るつもりだったけど…なんかセナが…しつこくてね」


「何かあったのか?」


「2日前にあんたと何があったかとかどんな関係とか聞いて来てしつこくてね」


「……昼ドラ見過ぎだな…姉として注意しろ」


「5歳が昼ドラって…私達じゃあるまいし…」


俺とルシールは下らない話で盛り上がって日が暮れる時間になってしまった。


「もう時間か…話は…家に帰りながらしよう」


「あんた…真面目になったね…わかったわ」


俺とルシールは家に帰りながらお互いに持ってる情報を交換した。


「魔王は家ではどんな感じなの?」


「母とイチャイチャ…飯食ってまたイチャイチャ…トイレ行って出すもん出したらイチャイチャ…」


「そ、そうか……イチャイチャ以外は?」


「そうだな…出勤前に鼻毛の……光沢艶出しぐらいだな」


そう…父の鼻毛の管理は半端ない…手で艶出しをしていた時…力を入れ過ぎて抜いてしまった事があって3日も寝込んだ…。


その後…凄い金を払ってオーダーメイドで鼻毛光沢キットを発注したぐらいだ。


ナチュラルな光沢を出すために高価な薬品を発注したりどある会社に多額の研究費用を出したりしている…。


その鼻毛の只ならぬ執念を見ると…父は魔王としか思えない。


「……あんな奴に人類が滅亡寸前まで追い込まれたと思うと…死にたくなるわね…しかし魔王の会社は何の社名なの?」


「NSEK電工?とか言ってたな」


「えっ!うっそー!」


「なに?そんなに驚くんだ?」


「あのNSEK電工よ!」


「有名なの?」


ルシールが言うに…バッテリー一つで全世界から注目されてる超急成長企業らしく…そのバッテリー一つで大工場を一年間稼働出来るほど凄い性能らしく…現在、ニポンの家電や車と電車などはこれで切り替えていく最中と言った。


「人類の一番痛い所を突いて来るとは…さすが魔王ね…」


「そんなに凄いの?」


「はぁ…イネス…この世界の人類は電気がないと生きていけないのよ…それでエネルギー問題は人類の存続の問題でもあるの!魔王はその鍵を握ってる訳よ」


「な、なるほど!」


「…その顔は分かってない顔ね」


こいつ…すぐ見抜くな…付き合いが長過ぎたな…。


そして…ルシールは急に何か考え込み始めた。


「………婚したら次期社長でたまのこし…ちょっと惜しいわね」


「何ぶつぶつ言ってるんだ?」


「いや!何でもない!何でもないから」


ルシールは顔が真っ赤になって僕から背を向けた。


「きっと…それを調べると…証拠が見つかると思うわ!」


「そうか…今日はこれぐらいにして…なら明日また具体的な作戦を話し合おう」


「分かったわ…また同じ時間に同じ場所で」


「了解」


ルシールを家まで送って俺も帰宅した。


「お母ちゃん!ただいま!」


「あら…お帰り!ご飯出来てるわよ!今日は蓮ちゃんの好物のハンバーグだよ!お手洗って食事にしましょう♪」


「わーい♪」


今日は父は珍しく会社の事で遅くなるらしくて二人で食事をした。


レシアと二人で食事してる感じがして懐かしくて胸がツンと染みて来た。


母が本当にレシアなら…俺はこの先どうすればいいか分からなくなった。


今考えても答えは出ない…。


まずは証拠だ…。


しかし…NSEKってどんな意味だ?


ナイス(Nice)でスマート(Smart)な魔王?(EvilKing)


あはははは!まさか…そんな訳ないよね…


でも父が本当に魔王なら…奴の事だ……あり得る。




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