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俺は何も考えず奥義をぶっ放して右腕が折れてしまった。
「イネス…痛くない?腕が凄く腫れてるよ」
「お前…ばかか?…痛いに決まってるかね!痛い痛い痛い!」
しかし腕が折れた事と痛みよりもっと困った事が頭に浮かんだ。
そう…息子馬鹿の母の事だ。
きっとこの折れた腕を見たら大惨事になる可能性が高い。
「ルーシル…回復魔法使える?」
「使える訳ないでしょ…とにかく病院に行きましょう」
やはりルシールも使えないようだ。
治療してから母に会った方がまだ精神的ダメージが減るだろと思って俺とルシールは一番近い救急病院に行って母に連絡して治療を受けた。
医者の診察後…右腕のレントゲンを撮る時…外から凄く大きい車のブレーキ音が聞こえた。
そしてパトカーのサイレンの音も聞こえた。
「うちの蓮ちゃんはどこなの!」
外から母の声が聞こえてびっくりした。
電話してから5分しか経ってないのに…どうやって来た?
ちなみにうちからこの病院まで車で15分以上かかる距離だ。
レントゲンを撮った後…外に出ると母は警官二人と言い争っているように見えた。
「奥さん…いくら事情があっても一般道路を190キロオーバーはいけないでしょ!」
「は?なに言ってるの?うちの連ちゃんが怪我してるのに…出せれるなら1000キロでも出すわ!」
「……」
「……」
警官は言う言葉を失ったようだ。




