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9. 豚の癖に生意気じゃーん? 豚♡ ぶたぶたぶーたっ♡ ブヒブヒ言いなさいよ♡ ほーらっ♡ ……あはっ♡ ホントに言っちゃうとか情けなーい♡ ねえねえ出荷されちゃう? されたいんでしょ?? ぶーた♡



「……便利なモノ(丶丶)ね。」

「おっふ♡♡ はい、はい! ですから我が陛下(ユア・マジェスティ)拙豚(せっとん)を、卑しい豚畜生を、配下の末席に加えていただきたく存じ、」


「なぜ?」


「あふんっ♡♡ 出来れば、拙豚をお使いくださると! 恐悦至極にございますぅ♡♡」


 メスガキは、調子を取り戻しつつあった。

 豚が、豚であるがゆえに、パティちゃんは、元気になっていた!

 そして、考えていた。


 テンプレみたいな権力者の末端との出会いを。


 これを使わずして、なんとするか。


「椅子。」

「はいぃ♡♡」


 即座に四つん這いになる、豚であった。

 キビキビと、気持ち悪いほど素早く椅子になる、豚であった。

 これ、この理不尽と傲慢が詰まったプリティ&キューティこそ、豚が求めたものだった。


 すとん。


 柔らかく、小さく、そして軽いお尻の感触。


「ぉあふっ♡」

「気持ち悪いのよ。しかも、椅子にされるなんて情けないって思わないの? 思えないの? 豚。」


 わかるかね? 諸君。

 生意気なメスガキが、キモいキモいと言いながら、妥協だとしても、本来ならマイナスにしかならないような豚畜生の背中に腰掛けているのだ。


 布団は、実は重い方が睡眠の質を上げるという。

 それは、心地好い重み、という感覚があることに他ならないのだ。


 豚にとって、それがパティちゃんの重みなのだ!


 なんならパティちゃんは無意識に豚の(うなじ)に手を置いていたりね? それが、首筋を何気なく(くすぐ)るものだから、豚にとってはご褒美なのかどうか気が気じゃない!


 なぜならば。


 ご褒美をご褒美と知って気付かないフリをしたならば、たちどころにパティちゃんにバレてご褒美を取り上げられるなんてお仕置きを、、、あれ、ちょっと良いかもしれない? いや、ダメだ、これが自然体なら、意識されてしまえば、このサイレントご褒美が未来永劫失われてしまう!


 わかるかね? 諸君。


 わからない方がよろしい。


 ともかくも、パティが座って5秒もしないうちに、すっかり豚は飼い馴らされてしまったのだった。

 パティちゃんにメロメロということなのだ!


「ありがとう存じますぅ♡♡」


 パティちゃん、無意識に爪を立てちゃったカナ?


「あと、この、縄? ……かなにかで、座りづらいんだけど?」

「申し開きもございませんっ♡」


 パティは幸運にも豚に座っていたため、その蕩けきった顔を見なくて済んだ。


「で? 豚。」

「あっ、あっ♡」

「豚……?」

「ユニバぁああああああすっっっっっっ!!」

「ひっ!」


 豚は叫んだ!


 それは字義の通り、宇宙を意味するのではない。

 その語源たる「全なるもの」。それを礼賛すべく感嘆としての咆哮だった……っ!!


 感嘆符(エクスクラメーション)では物足りなかったのだろう!


 その内から溢れ出る情動の奔流を表すために、知りうる中で最も極大たる存在を、無意識が選び取って叫ばせたのだ!


 これは余談だけど微動だにせず、堂々と貫禄のある叫びだったと(ののし)っておこう!


「な、なによ。驚かすじゃない!」

我が陛下(ユア・マジェスティ)! 拙豚! ジョナサン・ポルチーニ=ハイム! 冥府を越えて、忠節を(つく)させていただきたく!」


 言葉には、力があった。


 それは、魂を揺さぶる奔流。


 豚が、豚の矜持を示すとき、それはどれ程卑しくとも、迫力があった。


 ゆえに。


 パティはそれを真正面から受け止めた。


「いいよ。」

「――っっ!!」


 息を飲む声が聞こえた。


 パティのロールプレイは、(こと)ここに極まった。


「『(なんじ)、ジョナサン・ポルチーニ=ハイムは、ボク、パトリツィア・デル・フィオーレに永遠の忠誠を誓うか?』」

「『もちろんにございますぅ♡』」


 かつて、言の葉とは、力そのものであったという。

 言葉を操る化身。身勝手で知性の象徴たる化身が操った、原始の魔法が、言葉であったという。


 ゆえに。


 魔法は、魔導は、神話は、言葉を介して固定されるという。


「『お言葉(オーダー)我が陛下(ユア・マジェスティ)』!」

「『(はべ)れ』。」

「『幾久(いくひさ)しく』。」

 

 契約は、なった。


 ピンキー(子豚)リングが小指に嵌まる。


「ボクの、下僕か。」

我が陛下(ユア・マジェスティ)、拙豚の永遠の忠節を。」


「要らない。」


「ああっ♡♡」



舐めろ(丶丶丶)。」



 パティが差し出したのは、塩漬けにされて、干された肉を掴んだ指だった。


「ああ♡ あむぅ♡」


 ぴちゃっ。


「ぅわ、ホントーに舐めるとかキモっ。」

「ふぁい……っ♡♡」


 パティは人間椅子をしながら豚の舌を、指先で弄ぶ暇つぶしを覚えたのだった!



 反対側がお尻だという発展性を知っていると、結構楽しいので、お試しあれ!

 ゑ? 何が楽しいか、なんてそんなスペシャルなことはここじゃ言えませんよー。



 ちょっと時間が経って、やっぱり汚い(バッチィ)と思い直したパティちゃんは、指を(ぬぐ)うための、何かを探すのに苦労しましたとさ。そうやって夜が更けていったとか、いないとか?









~to be continued~

サンタさんからプレゼントは(もら)えました??

豚に牽かせたソリに乗ったパティちゃんが、災厄を運んできたりしてますか??


ならば。


各々(おのおの)方! 私に(なんじ)の性癖を(ささ)げよーっ><

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― 新着の感想 ―
[良い点] うむ。 [気になる点] うむ。うむ。 [一言] うむ。うむ。うむ。 『パティが差し出したのは、塩漬けにされて、干された肉を掴んだ指だった。 「ああ♡ あむぅ♡」 ぴちゃっ。 「ぅわ、ホント…
[一言] ユニバぁああああああすっっっっっっ!! ニャッポリートに匹敵するパワーワードであるように感じました。 一人称が拙豚ってのもいいですね! ワードセンスがバクチクしてますね!
[良い点] わかるかね? 諸君。 わからない方がよろしい。 ……せやな! [気になる点] ξ゜⊿゜)ξ <ぶひー。 [一言] めりくりー。 捧げよ性癖、今宵は性なる宴なり! あっはい。 尻…
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