60. Eh!? ちょっと待って!!??
「おやおや、これは王妃殿下といえども聞き捨てなりませんな。」
気に入らないのは、昼夜の化身だ。
霞の色が、どこか明滅しているような感じで、怒っているのがよくわかるね!
「なに?」
しかし、全身真っ青に綺麗なブルートパーズの循環の結晶さまは、不機嫌な様子を隠しもしない。
「その者。この世を掻き乱す賊、とか。」
「だからなに?」
「っ。」
「目障りだわ。」
瞬間。
空間の何もかもが、凍りついた。
一瞬遅れて、パティちゃんやジェスト、ベキ子や豚畜生、そしてロッちんは動けることに気がついた。
そして。
凍った霞や、その取り巻きたちが成って果てた、氷の彫刻が見えた。
それが、砕け散った。
「……嫌だわ。いくら殺したって、いつの間にか戻っているのよね。」
「わー、お姉さまつよーい。。。」
あのパティちゃんが、ドン引きの強さだ。
「あの方ほどじゃ、ないわ……っ///」
なんて陛下を引き合いに出して、恥ずかしそうな女神さまだけど、パティちゃんのドン引きを緩和する効果はないみたい。
怒らせたら怖い系の、トップに踊り出たよね。
あれ?
ちょっと待って!?
今!
この物語にとってのラスボス的な存在が瞬殺された!!??
え? ちょっと待って!
そんな予定じゃなかったんです!
っていうか、昼夜の化身ってもっと強かったハズなんですけど、過去作とか設定とかを見直していたらいつの間にか循環の化身の方が強くなってるし、ジェストの能力とか設定的に、循環の化身を頼らないとか有り得ないし?
そんなふうに考えてたら、いつの間にか昼夜の化身さんやられちゃってるし!
え、だって、あとは魔王陛下と対面して、ポーチに入ってるグチャグチャの親書を渡して終わりじゃん!
パティちゃんの呪い的には、ジェストと戦って負けたら良いワケじゃん!
え、ちょっと待って!!??
循環の化身さまなんて――あ、循環の化身さまって、別格として、結晶化もしてるとかいう、今更意味不な設定が持ち出されていますけど、お気になさらずに――さっそく愛しの魔王陛下に連絡を取り始めてるし!!
それで終わるの!?
でも設定的に未踏破領域なんて、神代の天上と、世界を支える概念の領域くらいしか残ってないけど、余計にハチャメチャなだけだし??
パティちゃんはジェストとイチャコラするラブコメに移るだけだし??
ちょっと待って?
このままだと、外に帰っても妙齢の魔女さまと一緒に諸外国を笑顔で蹂躙する程度の簡単なお仕事の話になっちゃうし?
とはいえ、この世界で他のつよつよ〇〇〇は、騎士王以外恋人がいるし!?
ジェストさま一択ぅ!
え??
じゃあ、さ。
ジェストがパティちゃんを負かすお話を。
運命を。
導かないといけないわけじゃない??
~to be continued~





