59. 水のお姉さま♡
そろそろ。
諸君らが、なんでパティちゃんはジェストばかりメロメロなの? と疑問に思うころだと思うのです。
だって、フリーっぽいイケメンとして騎士王とか騎士王とか騎士王とか、いたワケじゃないですか。
え、ジェストって、そんなにもイケメンなの? って思いません?
「それで、何が面白いのかしら? 私が嫌っている、昼夜の化身がいるこの場で。」
そんな疑問はさておいて、神代で魔王陛下の次に偉いのは誰か、という疑問に対する答えの存在が、軽やかに重い問い掛けを投げてくる。
そんな、天上の存在を目にしたパティちゃんが取る行動なんて、わかりきっていると思うよ。
何せ、目の前の循環の結晶さまは、魔王陛下と永遠に結ばれるために、刺し殺した女傑だ。
それを事前知識として、妙齢の魔女さまから教わっているんだ。
「あのっ! ボクは至高の黒い牡丹! 魔王陛下に用があって、ここに来た遣いなんですけど、もしかして、水のお姉さまですか!?」
影に溶けて、そして循環の結晶の前に現れる。
「ええ、たぶんそう。」
「とても会いたかったですっ!」
「ふふっ、それは光栄だわ。」
「ジェストさま、ありがとね♡♡」
「構わないよ、お嬢さん。」
端的に結論だけ言えば、最初、王都の噴水前でジェストに誘われたとき、その視線に微かな劣情を感じたから、そのままベッドインしちゃうかもしれないって、期待して、パティちゃんはついていったんだよね。
なのに。
ジェストったら、途中で逃げちゃうんだ。
パティちゃんはメスガキだから、劣情を向けられた相手に勝たないといけない。
しかし、ファーストコンタクトでは逃げられてしまった。
それから先も、基本的にはジェストの逃亡を許している。
パティちゃんの呪いの穴は、引き分けの際の規定が曖昧なことだった。
負けていないのだから、発情メス犬性奴隷にはならない。
とはいえ勝ってないのだから、そのままでもいられない。
間を取って、ジェストに心を奪われ、会うときはメロメロになってしまう心と身体にされた、パティちゃんだったのだ。
けれども。
そもそもパティちゃんがイケメン好きということもあって、ジェストにメロメロであることに、なんら疑問を持っていないのだった!
「それで、これは一体何の騒ぎなの?」
「……ちょっとした、行き違いだ。」
「えー、そこの霞がボクを殺そうとしたんですケドー。」
「あらそう? 大変ね。」
「……ちぇー。」
アッサリと殺されるようであれば、それは殺された方が悪いという、神代であった。
「それで、いらっしゃいな。」
とはいえ、循環の結晶さまは、丁重にもてなしてくれそうですよ?
~to be continued~
予約投稿日、間違えてましたっ><
ごめんなさい!





