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52. えへへ♡ ねえ、食べて? 美味しいよ♡ ねえねえ♡ ねえねえ♡



「なかなか、物分かりの良いメスじゃねかァ!」


 ニチャリ、と湿った笑みを浮かべる巨豚はそれでも、パティちゃんの表情や姿を、素直に認め切れずにいたのだ。


 当然だろう。


 窮地に陥った者が、恭順を示しながら背中を見せた瞬間に刃を突き立てることなど常識ですらある。



 さて、ここで唐突に問題ですよ。



 こういうときに、恭順を示してきた相手の心が、きちんと折れていることを確認する手段は、何だと思いますか?


 答案(アンサー)。仲間をその手で殺させる?


 不正解(ノン)。仲間を集結させるとか、莫迦ですか?


 答案(アンサー)。じゃあ、仲間が殺されるところを見せる?


 不正解(ノン)。意思の弱いヤツが、場当たり的に恭順を示してきたときにしか使えない手段をとって、どうするのですか? そんな者は、ひと目でわかるじゃないですか。そもそも、敵の意思が強ければ復讐心を煽るだけでなく、その心をより深く隠蔽させるだけなのです。


 じゃあ、どうするか。


 パティちゃんの恭順が、いや、発情の視線が本物であれば、何をされても受け入れるだろう、と巨豚は考える。


「ガキぃ。」

「なぁに♡♡」

手前(テメ)ぇ、無理矢理犯されてェなんて、言ってたよなァ?」

「はいっ♡♡」


「じゃあよォ。」


 巨豚が、ぶら提げたパティちゃんを壁に押し付ける。


 そして、力任せに腹パンしたのだ。


 ――ズンッ!


「ぎっ――あっ。あ♡ あはっ♡ 痛い、よ♡」

「だろうなァ。」


 ズンッ!


「あぎっ! げほっ……2位さまぁ♡ あ゛ふっ♡」

「ほら、もっと喘げよ(丶丶丶)なァ。」


 ズンッ――ズンッ――ズンッ――ズンッ――ズンッ――ズンッ――ズンッ――ズンッ――ズンッ――ズンッ……


「ぃぎっ゛!! あ゛づっ――っ゛! ぃあ゛あ゛っ! あ。あ゛っ゛! う゛。――う。あふっ゛♡♡ う゛♡ ぐふっ♡」


 何度も、何度も何度も何度も(はらわた)(えぐ)るような拳の打ち付け音が、次第に水っぽい音に変わっていく。


 ズクッ――グチャッ――ぐじゅっ――ぐちゅっ――ぐちゃっ――ぐちゃっ――ぐちゃっ……


 初めは、一撃ごと、パティちゃんも打ち込まれる度に(あし)を強張らせていたんだよね。腹パンで筋張る太ももとか、リョナ的にすごくステキ。


 だけど、既に脚もプラプラと揺れるだけだし、そもそも(また)から太ももにかけて血が垂れている。


 どう見ても、傷付けちゃいけない内蔵がグチャグチャになっている感じだよね。壊れちゃいけないところが、破裂しちゃった。


 しかしね。


 それでもね。


 完堕ちしたパティちゃんは、多幸感に包まれながら、ただただ、巨豚への愛を深めていくだけなんだ。


「2゛位゛さま゛ぁ゛……っ♡♡」

「ふん。()いメスだなァ!」


 そうして、すでに手遅れな怪我を負ったパティちゃんに、最期の数十分のご奉仕を要求するのだ。


 ベチャリと床に落とされるパティちゃんが、見上げたモノ。


「わかってンだろォ?」


 死にかけのパティちゃんは、それでも瞳にハートマークを浮かべて手を伸ばすのだ。



 ところで。



 これまでに私が何度、イベントにイベントが重なるものだ、と言ってきたのか覚えているよね?

 そう、アクシデントにはアクシデントが重なるものだし、不幸には不幸が重なるものなのだよ。


 変態豚畜生が、自身の仕える高値の(パトリツィア)花の女王(・デル・フィオーレ)の尊厳が散らされるところを、色々と我慢できずに濡らしながら歓喜に震えて見守る中、それは起きたのだ。



 初めに異変に気付いたのは、上空を旋回するアホー鳥。



 次の瞬間には、(やかた)の中で下卑た笑みを浮かべる巨豚の、頭が無かった。



 パティちゃんの瞳に空が映った。



 数瞬遅れて、巨豚が背中から倒れたのだ。



 絶命していたのだ。



 そんな、巨豚が倒れる最中(さなか)、不可避の一撃から遅れることさらに数瞬、心臓を破るほどの轟音が脆い(ことごと)くを崩壊したのだ。



 その瞬間を捉えた者がいた。


 水色頭の廃エロフが、パティちゃんや性女、豚畜生をひと(まと)めにして、豚畜生をボコボコにした。

 それで、パティの傷を癒したのだ。股から溢れ出る血液が、止まったのだ。


 良かったね。


 そして。


 土煙の舞う、天井に穴の開いた晩餐室(ダイニングルーム)の真ん中で、新たな役者の影がふたつ、見えてくる。


「もう! 本当にここで合っているのかしら?」

「どうだろうね? 僕たちはただ、反応がある方へと来ただけだし?」


 片や、高位貴族の令嬢然とした、フリルタップリのドレスを纏っていた。

 もう片方も、どこぞのお坊ちゃんよろしく、半ズボンの礼装を着こなす。


 しかし言葉遣いはアベコベで、令嬢から漏れる言葉は汚く、令息から聞こえる言葉は品がある。その姿は、精巧に作られたビスクドールそのもので、美として自己完結していた。


 其は、嗜虐と被虐の化身。


 ただ、貪食の眷属2位よりも、真正面から強いという、理不尽の存在。


 それが、ただ圧倒的な力でもって、2位を殺しただけなのだ。


 しかし。


 それをパティちゃんに直ぐ理解しろ、というのは難しいと思うんだ。


「あれ……? なんで?? 2位さま……?? 2位さまぁ! ……なんで。」



 発情メスガキになって出来た巨豚への隷属の繋がりが、綺麗さっぱり失われていたのだ。









~to be continued~

アッサリ1話で殺されちゃった巨豚さん!

さて、パティちゃんはどうするんだろうね??

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― 新着の感想 ―
[良い点]  腹パンは愛情表現♡湿った音がするまで愛しちゃうのがステキでした♪  イイトコロで2位様と双子人形ちゃんがチェンジして焦らしてくれちゃうプレイにジレジレしちゃうのです♡ [一言]  拘束…
[一言] 一難去ってまた一難! 何という至上の焦らしプレイ( ˘ω˘ )
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