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44/63

44. なるほどなるほど♡



 そういえば、パティちゃんと愉快なご一行さまって、久しぶりにつよつよお姉さまの護衛無しに移動しているんだよね。


 しかも、魔境中の魔境、神代の土地だ。

 当然のように魔物、魔族が襲ってくる。


 魔物と魔族の違いは、意思の疎通が出来るかどうか。姿形は重要ではない。


「あ~!! 面倒!!」

我輩(わがはい)も出よう。パティお嬢さまは、ごゆるりとお待ちくだされ。」


 すでに、外では豚畜生と性女が乱舞していたのだ!


「むほほほほほほほほほほぉ!!」


 この豚、盾役としては全攻撃を受けるだけ受けて、自己回復速度で持ちこたえるタイプだ。


 ゆえに、盾など持たず、縄から剣、槍や弓に至るまで武芸百般の熟達した技を魅せる。


 そして性女ベキ子は、魔術の大家オ=ノーントの異端児としての才能を、遺憾無く発揮している。


 ()っぱいロケットファイヤーは当然として、パツキンの髪の毛を燃え上がらせるほど輝かせて、数々の爆裂魔術を起動しているぞ。


「『煉獄』そしてぇ『噴火』ぁ! かーらーのぉ、おっぱいファイヤー♡♡」


 今更だけど、雄っぱいとは本来、筋トレし過ぎて盛り上がって、おっぱいみたいに見えるようになった雄の胸のことで、間違っても雌っぽい胸のことではないのだ。


 このお話では誤用と知って、押し通してもらおう。


 そして廃エロフのロッちんは、一番エグい戦い方をしているんだ。


 わかるかい?


 地面から、急に槍が生えて串刺しになるという、絶望を。


 空を飛ぶものだって、たいていはいつか、地に降りてくる。


 その瞬間を狙われたら、お終いだ。


 地上にいるものも、その場で動かずにいることは出来ない。


 今、立っている場所が安全であるという保証がないのだ。


「苦しかろう? 生とは、その実態を現せば見苦しいものでしかないのであろう。」


 めちゃ(コワ)なのだ!


 そんな、敵さんご一行さま方が、守られていそうな馬車に目を向けると、漆黒の影が溢れ出ていることに気がついたと思う。


 あれほど、白を基調としてピンクで彩られた可愛くて上品な馬車が、真っ黒に見えるのだ。


 パティちゃんのイライラが、あふれでちゃっているよね。


 それが、邪龍の形を持って、首を(もた)げるのだ。


 まるで、封印の箱から湧き出る絶望。


「死ね。」


 それは、破壊と破滅の気配。


 魔王の眷属。


 つまりね。


 この神代において、絶対的な王者の身内に手を出したって、悟っちゃったよね。


 もちろんパティちゃんは魔王の眷属ではないけれど、それを敵さんたちが知るわけないし。


 実際にこぼれ落ちた夜の忿怒(ふんぬ)が、抗いようもないほどの力業で、絶望という名の死の救済を右から左に一様に与えるものだから、戦意喪失は当たり前なのだ。


 それほどまでに、破壊と破滅の奔流は、神代では絶対的なのだった。


 その事実を目の当たりにしたパティちゃんはね?


「え!? めっちゃ便利じゃん! だって、それでも向かってくる男だけ選別したら良いんでしょ!」



 って、ブレなかったんだ。









~to be continued~

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― 新着の感想 ―
[一言] ブレないパティちゃん素敵( ˘ω˘ ) 改めてこの四人強いっすねww
[良い点] >それでも向かってくる男だけ選別したら良いんでしょ! めっちゃポジティブで本当に生き方参考になるw
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