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43. 噛ませかよ。



「まだ喋らないのー? やばぁ。でもいーかげん飽きたー。」


 [書けないよ]。


「あがっ♡」

「がはっ♡」


 [書けないよ]。


 ごめん。書けないんだよね。

 嗜虐と被虐の眷属の尊厳を蹂躙(じゅうりん)することに成功しても、しかし、そこは嗜虐と被虐の眷属だ。尊厳を(なじ)られることは、日常だ。


 ゆえに。


 拷問の方法を変えなければならない。


「じゃあ、方向変えてみよっか? えっと、、、(くすぐ)って、ずっと。」

「はぁいっ♡」

「仕方ない。」

「えっ♡」

「ああっ♡」


 擽り。


 それを(あなど)るような、悪い子は、懲らしめに行くからね。ベキ子が。


 擽り。


 それは、拷問のひとつの極致。


 表皮の触覚も自由神経の末端も、痛みも触覚も、併せて脳に刺激を投射する。

 その違いは、刺激の強弱を脳がどのように処理するか、それだけなのである。


 擽りは、どちらも等しくバグらせる。

 ゆえに、脳にとって痛くて痒いのだ。

 そして、痛くなくて、痒くないのだ。


 それが、どれほどの衝撃か。


 だからこそ、擽りは拷問たりえるのだ。


 こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ……


「あはっははははははっはははは!」

「ダメだめだめあはははだめだめ!」


 しかしだね。


 見てる分にはエロいのだよ。


 だって、体を(よじ)って(まさぐ)られるのを逃げるショタとロリだぞ!


 それが人形の見た目でも、だ。


 擽りで、身を捩るショタとロリだぞ!!


 美味しい光景じゃないか!!


 だけどパティちゃんは、情報が得られるかどうかしか、興味がないみたい。


「うーん、もういいや。ベキ子、ロッちん。コイツら、本当に人形なの?」

「あはっ♡ 見た目は人形そのものですけどぉ♡ 柔らかいですよぉ♡」

「誰かが作ったとしたら、中身を凝りすぎているであろう。」

「ふーん。」


 ちなみにパティちゃんはヒマ過ぎて、足の指を豚にペロペロさせていたぞ。


「じゃあ、殺して。」


 ぐちゃ。っと、終わらせたぞ。具体的にはロッちんが串刺した触手を膨らませて、内部から裂いた、という感じだ。張り裂けるって、こうなるんですね。


「つまんなーい。ベキ子もロッちんも汚れちゃってるから、豚でも叩いておいてよね。」


 汚れ落とし(クリーン・アップ)のためだぞ。


 さて、情報も得られず、黄色い性女ベキ子と、水色の廃エロフのロッちんが、ちょっとだけ(たの)しかっただけだ。


「うーん。結局、右か左か。」

「ちゅっぷ、我が陛下(ユア・マジェスティ)。」

「豚は舐めてろ。」

「はいっ♡」

「それで、なに?」

「むふぅ……右、百剣山を抜けた先は、騎士王の庭と呼ばれる大平原でございます。」

「それで?」

「騎士王は、それはそれは輝くばかりのイケメンだそうで、」

「採用!」


 パティちゃんは、フリーのイケメンが欲しいのだ。


「進路は西! イケメンに会いに行くよー!」



   *** ***



 場面は変わって、ジェストはどうしているのか、ということなのさ。


 戯けた(ジェスティング)影法師(・ジェスチャー)焔の射手(フレイム・スロウワー)などと呼ばれる道化師(クラウン)


 ジェスト。


 偽名を仮面に、弱さを隠すイケメン。

 その本質は、昼夜の奔流に近かった。


「よくもまァ、またオレ様の前にツラぁ出せたもんだなァ。ぁあ! ジェストぉ!」


 豚が、二足歩行をしているならば、こういう醜悪なモノになるだろうという想像を、そっくりそのまま体言した姿。


 貪食の眷属。


 貪食の化身から数えて、いくつか下に位置する中物(丶丶)。存在感は、小物だ。

 唾を飛ばし、虚ろな目のメスをだらり(丶丶丶)と侍らせた俗物だ。


 それが、貪食の権能だ。


 喰われるものが、歓喜して愉悦を覚える。


 パティちゃんにしてみれば、理解(わか)らせて欲しい相手No.1な、一族だ。


「ここに至る途中、何者かに襲われたことも、お伝えして、契約の完了でしょうから。」

「何者、、、かァ。怖いものだなァ。」

「ええ、死ぬところでした。」

「ぐふふふふふぁ。なるほど、なるほど。それで? 失敗した、でお終いかァ。」

「おや、契約では成否に(こだわ)らない、と。」


 とある町の大きな屋敷。かつては折り目正しい紳士でも住んでいたと思われる、その佇まいは無残にも(けが)されて、豚小屋にされている。


「ああ、だろうよ。」

「私はただ、契約に従ったまで。」

「おお……じゃあ、死ね。」


 ズドン。


 と、段平(だんびら)が降ろされた。ジェストが(こうべ)を垂れていたところだった。豚のクセに素早い動きだった。


「ご免被ります。……そのような無粋な剣に、命を吸われたい者は少ないでしょう?」


 しかしジェストは避けていた。

 いや、身代わりになったメスが、裂けていた。


「このやろう……っ!」

「私はただ、帰してくれればそれで。」


 頭に血が上った豚が、疲れ果てるまで段平を振るっても、ジェストには(カス)りもしなかったという。


 ちなみに。



 この町は、パティちゃんがいずれたどり着く町なんだ。期待できるね!









~to be continued~

明日から、また通常営業ですっ><


ですから一日一回、18時更新ですっ><

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― 新着の感想 ―
[良い点]  貪食の眷属が既にして雑魚臭ぷんぷんなのです!><  ジェストくんがいまみっつ位掴めていないので、この先がたのしみなのです♪ [一言]  ロリショタ人形は使い捨てなのかしら?まぁ、量…
[一言] 擽りで、身を捩るショタとロリ……!( ˘ω˘ ) これは捗る……!( ˘ω˘ ) あと、拙豚もパティちゃんの足の指をペロペロしたいですぞ( ˘ω˘ )
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