4. メスガキ೬ תʅ マジ意味ゎתʅ ƕד֝ժ՝ぃᒐぃ
今日、2回目の更新ですっ><
火照る身体が感じる冷たさ。とでも例えるべきか。
熱くて冷たい明鏡止水。
脈動して静寂な闇。
二律背反の――それが呼ぶ。
我を使え、と。
「GAHHHHHH!!!!」
(煩いな。)
狼の咆哮と、騒がしい静寂にパティは却って落ち着いた。
邪龍の双短剣。
それは、そのように運命付けられた。
存在するだけで死を振り撒く気配を纏う一個の絶望。破壊と破滅の眷属にして、慈愛と救済の守護者。
その、生え変わる牙を半分に割って、一対の短剣を拵えた。
それが、邪龍の双短剣である。
ひと振りは、何物も断てぬ代わりに、総の身体を引き裂いた。
もうひと振りは、断てぬ物はない代わりに、身体を傷付けること能わず。
一対で、何物も断てず、何物も裂き、何者も傷付けず、何者も切る。
無意識が、左手に肉を開く剣を掴み取らせた。
そして本能がそれを、盾の如く前に突き出させる。
「 っっっっっっ!!!!」
なんだったか、と問われたら、無我夢中だった、と答えるだろう。
パックリと。
豆腐のように、触れたら裂けた。
息遣いが煩わしい、寂寞のスローモーション。
狼は、勢いのまま鼻先から左を抉られて、パティの横をすれ違うように抜けて、そして倒れた。きっと、短剣の閃きに恐れをなして、そして避けそこなったのだろう。
それゆえに、パティは狼の体重を知ることもなく、ただ、恐怖が現れて消える悍ましさだけを覚えていた。
「――はあっはあっはあっはあっはあっ。」
時が、秒針を戻した。
「はあっはあっはあっはあっはあっはあっはあっ。」
それは刹那の出来事だった。
思考の外側で、本能が支配した出来事だった
ゆえに。
汗も息も感覚も耳鳴りさえも遅れてすべて、今更になって襲ってくる。
パティに現実を、知ろしめた。
「はあっはあっはあっはあっはあっはあっはあっ。」
極限のストレスによる、過呼吸が止められなかった。
「――はっ。はっ。はっ。はっ。はっ。はっ。」
それを止めたのは、やはり『メスガキ』の特性だった。
「……はあっはあっはあっ、はあっ、はあっ、はあ、はあ、はあ、はあ。」
メスガキは、不遜で不敵な精神の強さを持っている。
その運命の軛がパティを生かしていた。
左手は、白くなるほど固く握られて、短剣を離さない。震え、そしてふらつきながら確かめた左手は、自由意志を持つかの如く他人事の感触で、強情であった。
脳漿で薄められた血飛沫の、べったりとして鼻の奥まで押し寄せるまろやかな臭い。獣の油がこびり付いて離れない血液で、どうしようもないほど汚れていた。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ。」
半妖精の山の民の隣人、パトリツィア・デル・フィオーレ。
深緑のロングヘアーをツインテールにして、生意気な童顔を際立たせていた。趣味を前面に押し出したような勝気な釣り目に泣き黒子、低くとも筋の通った鼻、生意気でぷっくりと可愛らしい唇から、八重歯が見えた。
当然のように白く細く、柔らかなカーブを描くデコルテと、柔らかなそうで華奢な体躯は身長が150センチもなさそうに見えた。それなのに、ふた抱えもありそうな豊満な、おっぱいだった。
不自然なほど、調律の取れた、おっぱいだっだ。
その、生意気おっぱいが、言葉をこぼす。
「……ざまあみろ。」
その顔は凄絶と嫣然と、艶めかしく上気していた。
「あは……あははははははっ!」
泣きながら、笑っていた。
~to be continued~
今日はシリアス回でしたっ><
どうですか? これがシリアス×コメディの、ダークファンタジーですっ><
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