38. はふぅ……。ここでずっと過ごしたーいっ><
パティちゃんが当代最高戦力の吸着の魔導師、ヴィヴィアン・マリーゴールドと優雅な数日を送っている裏では、豚性廃トリオが色々と動かされていたのだ。
まず、パティちゃんの侍女として、性女はだらけていたでしょ?
廃エロフは、快楽の墓宮を流れる奔流を感じ取り、砂漠化を食い止める手立てを考えさせられていたでしょ?
そして豚は、貴族の端くれの責務として、ヴィヴィの夫、ロード・ウィリアム・アマデウス・ミッドラルゴ・ヴァン・ハイランド辺境伯に、パティちゃんが追う、ジェストについて報告をしていたのだ!
「……なるほど。確かに、それが事実なら、その……ジェストといったかな? 陛下を狙った賊は、神代の、しかも昼夜の化身の下にいるのかもしれない。」
「ええ、はい。」
ザックリ説明しよう。
クイーン・ヴィヴィアン・マリーゴールド・ククル=カン・ガルド・ドゥ・ルクスリアは、『ルクスリアの園』を中心とした今は亡き帝国の女王である。
そして、その夫であるハイランド辺境伯が仕えるのは、『ダルタロイ=ルクスリア王国』と呼ばれる『ルクスリアの園』の、継承国なのだ。
面倒な歴史をかい摘まむと、かつて、『ルクスリアの園』が未曾有の大災害、神代の侵食に飲まれた際、当時は辺境の地方でしかなかった『ダルタロイ領』を治める、プリンス・オブ・ダルタロイが今の『ダルタロイ=ルクスリア王国』に繋がる『ダルタロイ大公国』の名乗りを上げて頑張ったんだ。
そういうわけで、ヴィヴィは女王だし、弱々王様も王様なのだ。かつて、ヴィヴィが当時のダルタロイ大公に、国家継承の儀を行ったのだ!
そして、ウィリアムは特例的にヴィヴィと結婚したのだった!
どうだ!
これが未完結の前作の、ラスト辺りのネタばらしという悪魔的なプレイだぞ。
はてさて、それはさておき。豚の見た目で豚らしく紳士的にハイランド卿に答えるぞ。
「焔の射手などと呼ばれているそうですが、いやはや、、、あの技、あれは炎などではなく、むしろ、光に近かったかと。」
「なるほど。」
「それに、おそらく、ですが……他の、何かも混ざり合っているかのような、はい……。」
「煮え切らないのは、確信が持てないから、かな。」
「御意に。」
「『閉じたる環』……魔王陛下と王妃殿下も、混ざり合っていたね。」
「はい。」
「光と闇、薄暮の霞、誰彼れと彼誰れに紛れる幻想。」
「はい。あの火球は、実在そのものと言われるよりも、幻影が形を持っていたと思うような、はい。」
豚は、光り輝く隕石に、ぶつかっていたね?
それで焼豚になって復活していたと、書いていたね?
さて、諸君。
そのとき、ぶつかった隕石の質量によるダメージはどうしたのかと、思わなかったかい?
なるほど。
この小説、理不尽だけれど、道理は通っているのだよ?
おっけー?
そういうわけでパティちゃんご一行は、この数日後に本格的な神代の旅に出るのだ。
~to be continued~
三連休は、サービスですっ><





