34. ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと待っていたの♡ だから嬉しいのジェストさまぁ♡ ねえねえ来て♡ ボクを押し倒して理解らせて♡ お願い♡
〇んぐり返し。
さて。
あなたの心は汚れてますか?
もちろん、でんぐり返しのいとこくらいの存在の話ですよ。
そしてもちろんベキ子と廃エロフのお話ですよ。
ちょっと気になったのですが、ベキ子って〇んぐり返しはどっちなのでしょうか?
相手も両性具有だったらもうワケわかんないですね!
何が言いたいのかっていうと、王城についてやらかしたあと、何となくバカとエロい人は高いところに昇りたがると走っていたら、大きな扉が爆裂で吹っ飛んできた、ということがひとつ。
そして、その扉が直撃してバカっぽい後転で、〇んぐり返しになっちゃって、開けっ広げのスカートの奥がノーパンだったのはどうしてか? ということなのです。
ぶらぶら。
「ぐふぅ……♡」
忘れられているのはジョナサン・ポルチーニ=ハイム。
語られてもいないのがアルドランジュ・ミルカレス・ガルド・ドゥ・ラグランジェ。
豚と廃エロフだ。
その二人が、謁見の間で頷き合って隅の方に移動した。
どうやら、観戦に徹するようですよ?
とはいえ豚も廃エロフも、直ぐに参戦できる構えなのは変わらない。
そこに、頭フラフラな性女も加わって、パティちゃん応援団が出来上がるのだ!
話は戻って、謁見の間の中央だよ。
パティちゃんは発情メスガキモードだ!
危ない状態だよまったく。
「ジェストさまぁ♡♡」
「おやおや、これはリトルレディ。私をここまでお連れいただき、ありがとうございます。」
口角を上げ、厭らしく嗤っていた。まるで作戦にハマった者の絶望を確認するように。
だけれども。
それが効くのは、まともな相手だけだ。
間違っても、パトリツィア・デル・フィオーレみたいな狂者ではない。
もしかしたら、それゆえにパティは強者なのかもしれない。
「もちろんです♡ この前のデートで、ジェストさまがボクの指に、そっと唇を落としたときに、微かな痛み――痺れるような印をくれたでしょ?? それで、いつ夜這いにくるのカナ? ってずっっっっっっっっっっと待っていましたからぁ♡♡ あ、シルフお姉さまも気付いていましたけれど、消さないでってお願いしていたの♡♡ やっと、やっと現れてくださったのですが、せっっかくの印が使い切りみたいだったから、今度はもっと、もっっっっっと深く刻んでくださいませっ♡♡♡」
「え?」
予想外なのは気障な間抜け、ジェストの方だった。
「それでね? ジェストさまぁ♡」
覚えているかね? 諸君。
パティちゃんは、つよつよ〇〇〇に理解らせられたいんだ。力で捩じ伏せられたいんだ。
そしてイケメンに弱い! でも自分の奴隷になるようなポンコツは、マッサージチェアくらいの感情しか持ち合わせていないのだ。
だから。
「殺し愛ましょう♡♡♡♡」
そう言うに、決まっている。
「あはっ♡♡」
魔女とは、欲望の僕が成り果てた災厄だ。
災害だ。
「あらあら、若いわね。」
「シルフ伯母さま。もぉ……後片付けは、パティちゃんがするの?」
「出来ると思うの?」
「もぉ。」
「ジェストさまぁっ♡♡」
~to be continued~