28. 指ってエロくない!?
本日2回目!
指……はぁ♡
良いですよね。
すごく雄弁で、目を引くパーツじゃないですか。
ねえ……例えば、指と指の間の付け根、つまり、指の股をグリグリして、誘われちゃったこと、あります??
お手本みたいな飲み会のテーブルの下、人差し指が、ぐっ、ぐっ、って、私の人差し指と中指の間の、指の股に押し込まれるんですよ。
それでね?
さっきまで、そんなことしてた指がリズミカルに、机を叩いていたり。小指から順にタララランって。
何を意識させたいんでしょうね??
その指先で、何を想像させたかったのでしょうか?
さっきまで、指の間をグリグリしていた人差し指で、唇をなぞるの、エロ過ぎないですか??
グラスを傾けるとき、周りから顔が隠れるのを利用して、ねっとりとした視線を投げかけるの、反則じゃないです??
指で、トントンって、ウィンクみたいな合図を送ってきたりして。
それとも。
単に私の気を引きたかった、というか、引いたら勝ちだと思った、とか?
どちらにせよ、その指が綺麗だったらドキッとしない?
私は、シちゃった。
だから。
当然、パティちゃんも緑のマニキュアとかペディキュアとかしてるワケ。
「パティは、爪に魔術を刻まないのに、色を塗るの?」
「え?」
「花の民の習わしに、あったかしら。」
「待って、シルフ姉さまは爪に魔術を刻んでいるの??」
パティの言葉に、星空のマーメイドドレスを纏った妙齢の魔女は、スルスルと長手袋を脱いだ。
良いかね?
淑女が長手袋を脱いだのだ。
わからないかね?
これはオッケーのサインだからね。
今日から諸君らも、手袋をハメさせて、そして脱がす遊びをしてみるといいよ。
この愉しさがわからないなら、それもまたよろしい。
知らないままの綺麗な一般性癖のままでいてくれると嬉しいかな。
そして。
つつ、と差し出された指先。
儚く、真白に淡い指、そこに際立って落ち着いた、鯨色の夜空のマニキュア。
「わからない? マニキュアは嗜みよ?」
嗜み。つまり、探られないために上辺を繕うための常識。
「パティ? 手を、とりなさい。」
「はーい。」
と、何も考えずに手をとった。
ドクン。
と、心臓を掴まれた。
文字通り、心臓が一度、止まった。
「――かはっ。」
そして、また動き出した。
「はあっはあっはあっはあっ――な、に……今のっ!」
「『魔女の毒』と呼ばれる魔女魔法。次は、儚くなるの。」
「儚――って! なんでそんな!」
「パティ。」
驚いた勢いで妙齢の魔女に詰めよりかけたパティちゃんを、たった一言で押し込めた、その圧力。
朧げで、表情の見えない瞳の奥に、マダム・シルヴィア・ククル=カン東方女公爵の確かな意志が見えた。
「其方、無防備すぎるの。此方の姪みたい。」
眼差しの温かさ。
瞬間で怒りを収めてしまう。
それどころか。
それが優しさだと、気付いてしまった。
そしてパティちゃんは、どうして優しく接されているかわからない。
だから、躊いでしまう。
「べ、別にそんなことないし!」
「そう。何か、入れましょう。」
この世界には、人の話を聞かない理不尽な存在が多いぞ。
「もう! ――だから、」
「何がいいと思うの?」
「もういいよ! 何かエロいの入れてよね!」
「それでいいの?」
「死ぬことなんて、恐れてないし!」
「そう。」
あれ? 今、シルフ姉さま、笑った?
「パティのお腹の淫紋と繋げて、触れると快楽を与える指とか、そういうのが欲しい?」
「メッチャ欲しい!!」
楽しそうで何よりだよね。
ちなみに。
シルフ姉さまがパティちゃんに優しいの、能面の顔なのに普通に接してくるとか、シルフ姉さまって呼んだこととか、気まぐれな理由ばかりなんだ。徹頭徹尾、畏れていないというのも、ポイント高いかも。
つまりね。
メスガキだったから、仲良くなれたんだよパティちゃん。
~to be continued~
深読みが激しい大きなお友達は気づいたかもですが、妙齢の魔女は"自衛のために"快楽を増幅させる術を刻むのです。つまり、快楽は、触りさえすれば誰にでも与える系なのですよね。。。自分にも、相手にも感度3,000倍なのですっ><
ちなみに、すべての爪がそうだとは言っていないので、最大で20本分、色々後付けできますね!!
こういう便利な設定って、大好きです♡
それと面白かったらブクマしてくださいませっ><
あと、あなたの性癖も感想欄に書いてどうぞっ><





