25. このパティちゃんさまが負けるとかウケるんですケド!
えー?
緑色の艶髪ツインテールの使い道が気にならないのかって??
え? ツインテは毎朝豚畜生が手を震わせながらセットしてるんだけど、最近はベキ子がやってるみたいで、下々の者の序列争いがヒドそう。
そんなことはともかくも。
西方のナイトピード領、コロナ市に続くラフト街道。
豚車にドン引きしないで、接触してくる莫迦もいる。
「あ? なに?」
「パティちゃんさま。何やら、騎士がアレコレと訊いているそうで。」
廃エロフ大勝利!
パティちゃんは処女膜以外は触手塗れでマッサージの最中だ!
水魔法の極致は、始祖たる循環の化身の思惑を飛び越えているんだ!
蕩けるような快感とはいえ、それは気持ちの良いマッサージという、至って健全なものだゾ☆
何故かって? 水色頭がロリコンだからさ!
絵面だけは[見せられないよ]なんだけど!
「で、なんで進まないわけ??」
パティちゃんはイライラだ。
馬車程度で調子に乗っちゃって可愛いね♡
「……ふむ。なるほど。」
「なに?」
「パティちゃんさま。……どうやら、大貴族の行幸渡りにぶつかったようで、」
「で? それでなんでボクが譲らないといけないワケ?」
パティちゃんはイケメンの廃エロフには、強気でいたいんだね!
すでに外では、大貴族の先触れとして走る騎兵がひとり、頭が高い障害を脇に退かす作業をしているのだ。
性女には言葉が通じず、豚畜生は興奮して言葉を介さず。
廃エロフの高度な状況把握能力によって置かれた立場を理解して、それでも。
パティちゃんに、媚びへつらう選択肢はなかったのだ。
「えーっ!? ちょっと言ってきてよ! こっちが先を進んでるんだから、追い抜いてもらうまで待ってるなんてバカみたいじゃない! って!」
「ほう。相手はどうやら、あのククル=カンだぞ?」
「誰それ?」
無知って最強で怖いねって話だよ!
相手はマダム・シルヴィア・ククル=カン東方女公爵。能面が恐すぎると噂のお茶目な『妙齢の魔女』さまだ。推定でも歴史のその前から生きてる化け物だぞ! 何歳か、だって?? 数千歳は下らないだろうね! 殺されちゃうぞ☆
埒が明かないと言い合って(?)いる豚と性女の様子を見ようとして、パティちゃんは馬車から身を乗り出した。
それが、いけなかったのだ。
上半身だけ見れば、大人の女性に見えるかもしれない可能性が、わずかにありそうなのだろうかと首を傾げるかもしれないパティちゃんの顔を見ればロリだって気づくハズだけど。
その騎士は、チラ見したパティちゃんの姿にちょっとだけ、ドキッとしちゃったんだ。
そんな騎士の仄かな劣情と支配欲が『メスガキ』の特性、『性欲をもって近付いてきた相手に敗北すると、発情メス犬奴隷として理解らせられちゃう』とかいう呪いを呼び起こす。
だから、パティちゃんは後に引けなくなっちゃったんだ。
内弁慶で終わらせることが、できなくなっちゃったんだ。
~to be continued~