20. お小遣い、、、ダサ。。。
パトリツィア・デル・フィオーレ推定無罪生まれて数日は、お遣いの真っ只中である!
なにゆえか。
冒険者のランクが低かったからである!
馬車が欲しい。良いだろう。ならば、金を出せ。
豚や廃エロフの所持金。裸エプロンを夢見た山賊がいた洞窟で得たお金。そしてその賞金。
それらを足しても、もうちょっと足りなかったのだ!
パティちゃんが欲しい可愛い馬車には。
そうなると、戦力の3人は依頼の魔物を狩りに行き、パティちゃんはお遣いでランクを上げる。それに、冒険者として依頼を受けなければ、ただの移民者、流浪の民になっちゃうし。
それはカッコ悪いじゃん??
豚畜生が、独りで街中を歩くパティちゃんの貞操の危機に臨席できない可能性を危惧して心配していたけど、ガキの遣い程度、パティちゃんの敵じゃない。
「え? なに? もう一度言わなきゃ聞こえないの!?」
災厄は、パティちゃん自身が作り出すのだ!
「こんな可愛いボクが『安くして?』って言ったのに、聞けないとか言うだけじゃなくって、本当はもっと安かったとか、謝ってすむなら憲兵なんて要らないんですケドー??」
「ああっ!? じゃあ買わなけりゃ良いだろ!!」
切れたハゲなすび。八百屋の日焼け親父は、唾を飛ばしてパティちゃんに避けられていた。
「そーやって論点? ズラすのってダサーい!」
「くそ! このガキャ――、」
「――そこ、熱くなるのもいい加減にしたまえ!」
謝って済むなら憲兵なんていらない。
このタイミングで悪魔的発想を出来るかどうか、それが重要だ。
パティちゃんは、ハゲ親父にボソッと告げた。
「ボッタクリだって言っちゃうぞー。」
「なっ!?」
「憲兵さーんっ! 詐g、」
「ぉおおお嬢ちゃん商売上手いね、持ってけ泥棒ってなもんよ!」
ニヤリ、と小悪党の笑みを浮かべるパティちゃん。
だけどお小遣ちょろまかして馬車を得られるほど世の中甘くないぞ。
「まいどあり。くそ。」
「ぷぷぷ、ありがとねー!」
なんてお遣いの依頼をサクッと熟した午後。
パティちゃんは、めっっっっっちゃヒマだったのだ!
しかし、喫茶店みたいな店で、優雅な午後を過ごせるような稼ぎじゃない。
仕方ないから、屋台で不味い果実の薄い汁を買って、広場に行くしかなかった。
噴水の縁に座ってマズ過ぎる薄い汁を、どうやって捨てるか。
それがパティの懸案事項だった。
だから。
「ねえ、お嬢さん。お時間があるなら、少し……いただきたいと思いまして。」
いつの間にか現れたのは、ハットを気障ったらしく被って、フォーマルをカジュアルに、カラフルな色使いでコミカルに気取った怪しげな優男。
道化師の役柄。
「誰?」
「これはこれはお嬢さん、失礼したね。私の名前は……そう、戯けた影法師。ジェストとお呼びいただけますか?」
まるで、芝居の一場面のようなシーン。
オスの色気が、パティちゃんの子宮と淫紋に素早く届く!
秒速でベッドインまでGO押せ押せと、法案は可決した!
だけど、パティちゃんも本当はわかってる。
街中で浮いた格好のパティちゃんに、話しかけようとする者などいないことくらい。
「ふぅん。お目が高いじゃない?」
厄介事の匂いを嗅ぎ取って、お目々が♡なの、隠せてないぞパティちゃん!
~to be continued~





