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ゾンビ待ち  作者: 伊藤両断
3/38

彼女

駅前にある噴水は夜になるとライトアップされ、待ち合わせ場所にうってつけだ。


僕らもここを待ち合わせ場所にしている。待ち合わせの時間より5分ほど早く到着したので、スーツの内ポケットからスマホを取り出しTwi○terをチェックして暇を潰す。


それからしばらくすると、僕の名を呼ぶ彼女の声がした。


「ワタル、お待たせ~」


少し息を切らして現れたレディーススーツ姿の彼女に僕は笑顔で返す。


「今、来たとこ」


あらためて見ると、ひいきめもあるかもだが…本当に僕にはもったいないルックスだ。


身長は162~3だったかな?髪は出会った頃からセミロングで明る過ぎず、暗すぎない茶色。美容室で染めてるらしいが、何号だったかは忘れてしまった。スリーサイズとか、聞いた事ないけど…胸はBカップくらいかな?今日はスカートだが、ジーンズだと足長いのが良くわかる。


高校では陸上部だったそうで、前にかけっこした時は完敗だったな。


今でも時々ジョギングしているので、僕より体は引き締まっている。


「どうしたの?じろじろ見て」


僕の視線に違和感を覚えたのか、彼女は首を傾げて問いかける。


「何でもないよ。行こうか」


近くの居酒屋に入り、ビールで乾杯。僕らはだいたい、週1~2回ペースで会っている。明日は彼女が休みで僕は仕事。なので、食事メインのデートだ。


お互いにバーのような洒落た雰囲気が苦手なのでいわゆる大衆居酒屋が好み。


お酒を飲みながら、他愛ない話をする。この時間が僕にとってはかけがえの無い時間だ。


「藤ヶ谷病院って知ってる?」


彼女が振ってきた話題に僕は申し訳なさそうに答えた。


「いや、知らない。その病院がどうかしたの?」


どちらかというと落ち着きのある彼女にしては、興奮気味で話を続ける。


「今まで治せなかった色々な病気の治療に成功したんだって!海外からも富士見病院を頼りに沢山の人が来てるのよ。街の誇りよね!」


あと、彼女は地元愛がハンパ無い。地元の病院が世界的に注目を浴びていることが嬉しくて仕方がない様子だ。


時々見せる、こういうところも彼女の魅力だ。


藤ヶ谷病院か…名前は聞き覚えあるけど、風邪も滅多にひかないからなぁ。


行く機会は無さそうだ。







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