開始
「…もう、こんな時間か」
外は少し明るくなっていた。
ネットで色々と調べていたら、時間を忘れてしまっていたようだ。
そんな中、1つ結論が出た。
普通人の僕にできる事は限りなく少なく、せめて家族や大事な人を守る準備だけでもしていかなければならない。
そう、あのゾンビから。
まず、生き残れる条件の1つとして挙げられるのは身体能力だ。
次にゾンビを撃退、もしくは回避する手段を身につける事。
「身体は鍛えるしかないが…どこまで鍛えれば最低ラインをこえられる?」
小さな声で呟きながら、再びネットで調べる。
ゾンビを撃退する=頭部の破壊。
現実的に人間の頭部を破壊する為に必要な力は?
一般人でも入手できる最適な武器は?
身を守る為に準備するべき物は?
逃走に適した乗り物は?
身を隠すのに最適な物件は?
調べなければならない事はてんこ盛りだな。
ふと、スマホを見るとL○NEがきている。
マリからだ…かなり時間が経過しているが、とりあえず寝ていた事にでもしておこう。
例えマリでも、ゾンビの話は信じてくれないだろう。
家族も友人も、シオヒキさんも…信じてはくれないだろう。
「金も必要だな…仕事が終わったら何か身体を鍛えつつ稼げる仕事でも探してみるか」
L○NEに返信しつつ、マリに頼んでみた。
「今度、一緒にジョギングして良い?」
マリ…タダシ、父さん、母さん。
守らなきゃ、僕が守らなきゃ…この日から、孤独な戦いが始まった。
ゾンビが溢れ出した時に備えた、ゾンビ待ちの日々が…