第2話 変わっても変わらないもの。
「えっ、ちょっと待てよ、俺のこと忘れたのか?」
慌てて未来に問いかける。若しかしたら、ソックリの別人かもしれない。俺の事忘れてるなんて。
「えっと、何処かであった事ありました?」
近くに寄って見ても、未来だった。少しつり目で、眉毛もキリッてしてて…髪質だってそうだ。サラサラしてて、一本一本が細くて、儚い。
「あ、あはは…まぁ…そんな感じ…」
笑って誤魔化す。でも、絶対話をしなくちゃならないんだ。話したら思い出すかもしれない。
「で、ちょっと話したいことがあるから2人でどっかカフェにでも入らない?」
「でも、俺たちこれから入学前課題しに図書館行きたいんだけど…」
未来頭良いだろ!んなの一日で終わるわ!俺わかるもん!!
眉を顰める未来。すると隣にいた茶髪の高身長イケメン君が口を開いた。
「話くらい良いんじゃない?どっかで会ってて、未来と友達…とかかもしれないじゃん?」
「裕樹…」
いい事言うな高身長イケメン君!!そうだ未来、お前は俺とちゃぁーんと話をしなきゃならない。
「そこまで言うなら…良いけど…お母様が門限について厳しいんだ。長くなるようならまた後日、ってさせてもらうよ」
「あぁ、ありがとう」
厳しい口調も変わってないなぁ〜男になると途端に可愛げが無くなるけど。まぁ所謂ツンデレ?ずっと前からアイツはああいう性格。
性別変わっても、変わらないものはあるんだな。なんか安心。
でも、これで未来と話が出来る。
若しかしたら、思い出してくれるかもしれない。
俺のこと。昔の未来のこと。
だって、アイツが忘れる訳ないもんな。大丈夫だよな。思い出してくれるよな。
ずっと一緒って、来世の私も貴方が大好きって言ったのは誰だよ…
先にお前が忘れちまうなんてさ、酷いよな。