神様のご褒美
神様が言いました
「頑張ったご褒美に、一つだけ願いを叶えてあげましょう」
私は考える
容姿端麗…
不老不死…
芸術的才能…
大金持ち…
私の欲望は果てることない
でも
最後に行き着いたのは
彼の傍に一生居ること
そして
自分の順番を待つ
神様が言いました
「あなたの順番です。あなたが一番望む事は何ですか?」
緊張した私は
とっさに答えた
「彼を一生好きでいさせて下さい。」
用意しておいた言葉とは
少し違った
でも
きっとこれが
私の正直な気持ち
ただ
彼を好きでいられる
それだけで
私は幸せ
神様はにっこり頷いて
「その願い、確かに聞き入れました。」
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神様が言った
「またまた頑張ったご褒美に、あなたの願いを叶えます。」
「一つですか?」
「今度は人助けもしたので、特別に三つです。」
もう既に決まってる
今度こそ
彼を虜にするような
容姿端麗の素敵な女性
それから
不老不死じゃなく
常に十歳若くいられる事
最後の一つは
彼がオーデションに合格する事
以上です
「残念ながら、他人の願いを叶えるならば、他の二つは諦めるばかりでなく、二度と願いは叶えられなくなります。それでもいいですか?」
「この前の願いは大丈夫なんですか?」
「あの願いは、既に実行されていますから大丈夫です」
私はすぐに決断した
「わかりました!それでは、彼のオーデションを合格させて下さい。」
「本当にそれでいいですか?」
「はい」
「あなたの願いは聞き入れました。他人の幸せを願った人には、ちょっとした付録が付いてきます。お楽しみに…」
付録って何だろう?
まぁ、いいかー
その後
彼は有名な映画の
主役に抜擢された
彼は何度も共演した女優と
恋に落ちる
でも
決して長続きはしない
何かに引き寄せられるように
私のもとへ戻ってくる
まるで二人の心の中に
磁石が存在するように
私は天に向かって
そっと呟く
「神様の付録ってこれですか?」