獣の視線
なんと、そこにいたのは…
普通の男子生徒でした。
「あ、あれー?」
「あ?何だてめぇは?」
「いえっ!何でもありませんッ!」
わたしは勢いよく教室を出て扉を閉めました。完璧にシャドーとばかり思っていたので…完全に早とちりです。
でも、何か様子がおかしかったような…
「う~ん…」
…と悩みふけっていると、聞き覚えのある声が聞こえてきました。
「愛奈~!」
「あれ?もしかして!?」
コールちゃんだ!ベストタイミング!すると、コールちゃんは不機嫌そうにこちらを見てきます。
「愛奈…没収されるなんて、聞いてないんだけど…」
「あはは~ごめんごめん~」
「それよりも、今は緊急事態よ!愛奈もその格好をしてるってことはわかってるのね?」
「わたしもそう思ったんだけど、勘違いだったっぽいよ~」
そうして、わたしは部屋の中の暴れている男子生徒について話しました。すると、コールちゃんはあきれた表情で
「愛奈…彼をよく見なさい…」
わたし達はドアの隙間から部屋を覗きました。さっきと変わらないように見えるんだけど…
「彼…シャドーに取り付かれてるわ…」
「エエエエエエエエエ!?」
そんなこと初耳だ!よくアニメとかではあるパターンだけど、まさかこっちでもあるとは…色々とコールちゃんが説明してくれました。
「シャドーは人間界に潜む闇って前に話したよね?」
「うん…」
「それは、心の闇も例外ではないということね…」
「そうなんだ…」
あの男子生徒はよく見たら三年生のようだ。きっと、受験勉強のストレスで心に闇を抱いてしまったに違いない!
「…今楽にしてあげるからね」
わたしは小刀を持って再び教室の中に入りました。相手がシャドーなら気にせず攻撃できます!
…と思った矢先
「愛奈!ダメよ!彼を殺す気?」
「へ?」
「いくら運動できない愛奈でも、小刀だったら普通に殺傷能力大有りよ!」
また、アニメ情報を勘違いしていた。わたしのイメージでは悪にとりつかれてる人は攻撃を受けてもその悪の方にだけ通って人間の方は無傷って、思ってたんだけど…
「あと、多少の意識は残ってるから愛奈の姿もバッチリ覚えられてるでしょうね」
「そんなこと言われたらやりづらくなるじゃん!!!」
そんなことを喋ってると男子生徒もイライラがたまってきたのか、
「うるせぇ!お前らも俺と一緒に消えたいか?」
、と言いながら椅子を投げてきました!
「キャッ!?危ないじゃいですか!」
「なるほど、相手のシャドーの特性は自己破壊ね」
冷静に説明してる場合じゃないですよ!でもコールちゃんは器用にかわしてる…わたしはギリギリなのに…能力の差って酷いですよね…まぁ、大きさ自体に差があるので仕方ありませんが…
「自己破壊の特性はさわった記憶がないのに物か勝手に壊れてたとかその辺りの類いね」
「それで?成長すると?」
「取り付いたものの大きさ構わず破壊する」
「やっぱりえげつない~ッ!!」
「そして、始めに緊急事態って言ったよね?それは、人間を飲み込むサイズのシャドーが発生したという知らせを言いにきたの…」
それが目の前のこの人ってことですか…すると、ひとつの疑問が生まれました。
「あれ?シャドーってあんまり大きくならないんじゃいの?」
「普通はそうね…でも、この教室をよく見て?」
男子生徒の椅子投げ攻撃をかわしながら、部屋を観察します。すると、
「埃っぽい!」
「そう!それよ!さらにカーテンも締め切ってる…この教室、当分使ってなかったのね…」
「それが何か関係あるの?」
「ええ、自己破壊のシャドーは大抵物に取りついて自分と共に壊すからシャドーの中でも成体になりにくい種類よね…でもこの教室には成長に必要な闇もある…そして取りついて壊すような小物が置いてない。そんな中、心に深い闇を持った少年が入ってきたら、ちょうどいいカモになるわけ」
まぁ、コールちゃんが丁寧に説明してくれたお陰で何となくわかりました。そして、一番重要なことを問いかけます。
「倒し方は?」
「前みたいに闇のところに『シャイニング・コール・フラッシュ』当てたらいいんじゃないの?」
…とはいっても
「おらおら!コスプレか何だか知らねーがとっととくたばりやがれ!」
「ひぇ~ん!そんな隙無いよ~!」
すると、コールちゃんは冷静に相手の動きを見切っています。やっぱりスゴいな~すると、ある一つの点に気づいたみたいです。
「愛奈、パンチラを使って!」
「は?」
…意味がわからない。わたしの魔法少女のイメージは謎重力や謎の光で見えないし、さらに女児向けのものはそんな概念事態ありません。
とか言う前ににわたしは女の子です!知らない男の人に下着を見せれるわけありません!(知ってる人でも嫌ですが)
「彼の視線を見切っていると、愛奈が回避するときに必ずと言ってもスカートのところを見ていることがわかったの。だから、それを利用すれば!」
「嫌!恥ずかしいもん!他の方法ないの!?」
すると、コールちゃんは耳元で…
「……………………」
「本当に大丈夫?信用するよ?」
「えぇ、だから愛奈も気を付けて」
「うん…これしかないんだよね…」
気は進みませんが、これが一番いい方法らしいので、コールちゃんに乗ることにします。策がうまくいけばわたしも恥ずかしい思いをしないで済みますし…
「いくよ!」