変わらない日常
ー翌日
わたしはいつものように準備をし、いつものように学校へ向かいました。ですが、いつもと違う点があります。それは…
魔法少女になったことです!
この世界の均衡は魔法少女によって保たれている…よってわたしも魔法少女として、闇の根本であるシャドーを倒し続けないといけません。
ーあぁ、この町のシャドーの驚異から守ってるのがわたしなんだ…
「愛奈…痛い」
「コールちゃん!?大丈夫?やっぱり鞄の中って狭かったかな?」
「…まぁいいわ」
この子はコールちゃんと言い、わたしのサポートをしてくれる妖精さん。今は他の人に見つからないようにケータイ風の姿をして鞄の中に入っています。
「あ、コールちゃん…学校では絶対に出てきたり喋ったりしたらいけないからねッ!」
「OK~OK~」
とか言いながら、わたしはよくアニメである、学校で精霊さんが出てきて無理やり誤魔化すのをやって見たいと思ってます!
ーコールちゃん出てきてくれないかな?
しかし、その期待を背くかのようにコールちゃんはわたしのいったことを守り、鞄の中で大人しくしていました。
昼休み、流石に大人しすぎるので、わたしからこっそり話しかけてみました。特に話す相手もいないわたしにとって、それは容易いことでした。
「コールちゃん…ねぇ、コールちゃん…」
「愛奈?どうしたの?」
「シャドーとかって、急に襲いかかってこないの?」
急用ならコールちゃんも学校だろうと話してくれると思ったのですが、
「シャドーは基本的に急に襲いかかってくることは無いよ?」
そう言うと、コールちゃんはさらに続けます
「愛奈も急に話しかけられると困るでしょ?」
「あ、うん、そうなんだけど…」
本心を喋ったら絶対に呆れられることぐらいわかります。すると、コールちゃんはいつものわたしの言動から察せたのか、
「もしかして、またいつものアニメでは~とか考えてるの?」
「ギクッ…」
こういうとき、言い訳できる人はすごいと思います。わたしは嘘がバレやすく、嘘をつくのが苦手です。
「まったく…これはアニメでもマンガでもない、ファンタジー要素なんてないんだから…ちゃんと学校生活送りなさい!」
「…は~い」
もう少し面白いことになってもいいとは思うのですが、既に魔法少女になってるのでそこは多目に見ることにします。
ですが、断られてもやっぱり精霊さんに急に話しかけられてなんやかんやは憧れます。
6時間目そんなことを考えてたなか、突然
プルルルル、
「誰ですか?授業中に携帯をならした人は?」
教室がざわつきます。わたしの携帯は常にミュートにしてあり、さらに着信音はアニソンなので絶対にわたしではありません。
ですが、かなり近くで鳴っています。誰だろう…
プルルルル、プルルルル
あまりにも近くで鳴りすぎているのでわたしは自分の携帯を確認しました。
「やっぱり、わたしのじゃないや」
…と思いたいのですが、鞄を開けたとたん着信音が大きくなったのです。
ーまさかッ!
わたしはコールちゃん(携帯モード)を確認してみました。
プルルルル!
ーあ、
「板田さん!授業中は電源を切っておくように!」
「はい…すみません…」
コールちゃん!!何で着信音なってるの!?完成にわたしは混乱していました。
「携帯は没収しておきます。反省文を書いて放課後に職員室に持ってきてください」
「…わかりました」
ーーと言うことで、コールちゃんは先生に没収されてしまいました…