C→A
確か、この辺で声がが聞こえた気がしたんですが…全くそれらしいものは見えてきません。
ーーまた幻聴だったのかな?
そう思い、引き返そうとしたときです。
「あ~ あってるよ~ 自動販売機の下だよ!」
やっぱり幻聴には聞こえません。わたしは恐る恐る自動販売機の下を覗いてみました。
ですが、真っ暗でなにも見えません。
「本当にここなの?」
「そうそう!見えないかな?」
「うん… 真っ暗で何にもみえないよ…」
すると、声の主は少し考えた様子で、
「暗いからみえないだけかな? 私の声は聞こえてるみたいだから『素質』はあるはずなんだけど…」
『素質』ッ!?まさか、魔法少女の!?わたしにッ!?
わたしはドキドキが止まりませんでした。
そして、声の主がある提案をしました。
「よし、試しに変身してみて!」
「ええええええええええええええッ!!」
まさか本当に魔法少女特有のとりあえず変身に巡り会うとは思ってなく、つい叫んでしまいました。
「でもわたし、変身の仕方知らないし…」
そんなことを言いながら、頭のなかはどんな詠唱なのかとか、どんなアイテムで変身するのか等期待で一杯でした。
しかし、声の主の解答はその期待を打ち砕くものでした。
「あ~… ただ念じるだけだよ」
「変身グッz…アイテムとか貰ってないんだけど…」
「そんなのないよ?」
「じゃあ、詠唱は?」
「そんなまどろっこしいものあるわけないよ」
事実を聞いた瞬間、つい膝からガクリと落ちてしまった。あまりにもショックでした。魔法少女なのにアイテムも詠唱もない!?そんな話なかなか受け入れられず一人悶々としていたとき、
「心に強く変身後の姿をイメージしてッ!」
そうだ!わたしはつい忘れかけてしまっていましたが、この声の主は消化されかけていました。この子を助けれるのはわたしだけ!
この危機的状況から、ついに決心することができました!
「アイテムや詠唱が無くても、わたしは魔法少女なんだ! あなたは絶対に助けて見せる!」
すると、体から瞬く間に光が帯び、着ている服が割けていきます!
ーーあぁ、これが変身か…
そんなことを思っていると、
「変身後の装備を思い浮かべて!」
……………………あ
完全に忘れていました。魔法少女にとって服装は命も当然です!なので、普段からどんな格好がいいかずっと考えていました。ですが、あまりにも急に魔法少女世界へ足を踏み入れたせいか、頭が真っ白になっていました。
「えっと、えっ~とぉ……」
人間、本当に迷ったりすると身近にあるものを参考にするんですね。わたしは今つけている流れ星のヘアピンを参考に、魔法少女衣装を考えました。
すると…
「うわっ!?」
全身をさらにまぶしい光が包み込み、次の瞬間、一気に爆発して…
「…成功だ」
わたしはイメージした魔法少女衣装へと姿が変わっていました!
「おお~ッ!すごいすご~い☆」
そうしてやっと魔法少女として、自覚が出てきました。しかし、まだいくつか疑問があります。
「ねぇ?髪型とか髪の色って変わらないの?」
「髪って、魔法に関係ある?」
大有りだ!、とわたしは思うけど、相手は魔法の使徒です。きっと、向こうの方が正しいんです。ですが、わたしは諦めきれず、
「えっ~と… あった!」
こんなときのために、常に魔法少女用のヘアゴムを持っててよかったと思いました。わたしは髪をツインテールに結び、もうひとつの問いを問いかけました。
「あの…武器は?」
「それもイメージで出せるよ!」
なんと!自由度が高くてよかったです!わたしは迷わず、
「空よ、星よ、我に力をッ!『アンドロメダ・ステッキ』!!!」
…
……
…………あれ?
話が違うと思ったとき、声の主は
「あ、いい忘れたけど武器は刃物類だけね?」
刃物…わたしの理想の魔法少女は杖で魔法を放つようなのを想像していたため、つい、また動揺してしまいました。
わたしの魔法少女脳を巡らし、とりあえず敵の幹部が、よく使う様な大剣を出そうとしました。
「地底に眠りし我が闇よ…今このとき、蘇r…」
ドスッ!
ーーえ?
まだ詠唱(自作)の途中なのに召喚されちゃうんですか!?本当に詠唱って飾りだけみたいです…
「さぁ!今から助けてあげるからちょっと待ってて!」
そしてわたしは大剣を手にとり自動販売機の下をなぎはらっ…なぎはらっ…なぎはらっ…
ーーなぎはらえない…
どころか大剣を持ち上げることすら出来てません。
「女の子が大剣なんて扱えないでしょ…もうちょっと軽いものを召喚したら?」
「…うん」
おかしい、アニメだと女の子の魔法少女も軽々大剣を扱ってたはずなのに…まぁ、気をとり直して、
「全てを切り裂く深き闇よ…今光と融合し、新たな力をm…」
ザクッ!
…わたしは挫けません!
「流石に刀ならわたしでも使えるはず…!」
アニメなら細く、軽そうにみんなブンブン振り回せてるくらいだから、わたしでも斬るくらいは出来ると思いました。
ーー甘かった…
刀ってこんなに重いなんて聞いてませんよ?先程と同様ほとんど意味をなしてませんでした。
「…あなたって、運動音痴?」
「はい…すみません…」
「じゃあ、弱そうでも明らかに軽そうなものを出したらどう?」
「やってみます!」
軽そうな刃物類の武器…
ーーそうだッ!
「血塗られた騎士の屍よ…現時代へと召喚s…」
ストッ!
そう!ナイフです!これならわたしでも流石に使えます!
「今から助けるね!」
わたしは自動販売機の下にナイフを差し込みました!
………………
「届いてないよ?」
しまった…短すぎました…
すると、さっき出した刀の鞘が目に入りました。
ーーこれだッ!
わたしはナイフと鞘を連結し、リーチを伸ばし、再び自動販売機の下に差し込みました!
グサッ!
今度は手応えありです!
「ありがとね♪やっと拘束から抜けれたよ!」
と、声の主が自動販売機の下から出てきます。わたしはやっぱり魔法の使徒は猫みたいな動物を想像していました。
しかし、現実は…
「ケータイ?」
このケータイはスマホではなくガラケーです。そんなケータイが飛んで出てきて、
「私はコールといいます。あなたは?」
「わ! えっと…わたしは板田 愛奈です!よろしくお願いします!コール!」
「それで、魔法少女になった感想はどう?」
「えっと、何だかうれしいです!昔からの憧れでしたし!なんだか普段より体が軽く感じます!」
そう、うれしくて浮かれているのか、魔法の力で身軽になってるのかがわかりませんが、いつもよりも断然体がが軽く感じます。
すると、コールが、
「………あッ!」
何か気まずいような表情をし、冷や汗をかきながら次の問いを聞いてきました。
「愛奈って…その…何カップ?」
始めは問いのその意味がわかりませんでした。何でこのタイミング?としばらく疑問でした。しかし、その質問の意味を理解するのは時間の問題で、
胸について聞くのだから何かあるのかと思い、
ふと視線を自分の胸に向けてみると…
「ッッッッッッッ!!!!????」
わたしはで言葉も出ませんでした。
なんと、胸がまな板級に縮んでしまっていました!…




