4、 閑古鳥なく
元旦の成田空港の様子はどうなのだろうか?心配するじゃらねっと達
いよいよ今日はシンガポールへ出発だ。
飛行機は午前9時25分の便なので、朝6時前に起きた。ゆりはいつも超寝起きが悪いので起こすのが一苦労だ。
支度をして朝食は食べずに、ホテルから空港行きの送迎バスに乗った。その時両親がバスの所まで見送りに着てくれ、
「気をつけていってらっしゃい、ゆりは一人で勝手にうろうろしちゃ駄目よ。それからこれは少ないけどお餞別よ」
と母が渡してくれた。
「体調に気を付けて、楽しんで来なさいよ」
と父も心配そうだった。
「気を付けて行ってきます。おじいちゃん、おばあちゃん、お土産買って来るね」
と、ゆりが言うと
「お土産は小さい物一つでいいよ」
そう言う両親は初めの予定では一緒にハワイに行く事になっていたのに、シンガポールは一緒に行かないから、一寸寂しそうだった。
バスの乗客は4、5組とあまり多くなかった。15分弱で成田空港に着き、シンガポール航空は第1ターミナ発着なのでそこで降りた。
中に入ると人影がまばらで閑古鳥が鳴いていた。《ガガーン、もうみんな海外に出国してしまったんだ》一気に出遅れ感が襲ってきた。
しかし、その【閑古鳥】のお陰で出国手続きは全く待つ事無く、30分ぐらいで全ての手続きが終わってしまった。朝食をまだ食べていなかったので軽く何か食べようという事になりカフェに入り、私とぱんはコーヒーとパンを、ゆりはパンとスープを注文して、出発までゆっくりした。至福の一時だった。
以前年末に旅行した時、出国手続きがとても混んでいて、搭乗間際まで掛かり焦ったことがあったが嘘みたいだった。いつもこう余裕だといいなぁ。
9時前には搭乗カウンターに行くと搭乗が開始するところだった。いよいよシンガポールへ出発だ。わくわくしてきた。
「ママ、もう飛行機乗ろうよ」
「そうね、ぱんが戻ってきたら入ろうね、どこへ行ったのかしら?」
ぱんは、もう時間だ時間だといつも焦るわりに、肝心な時は居なくなりみんなをハラハラさせるのだ。でも多分トイレだろう。
すぐぱんが戻って来たので、本当に飛行機に搭乗する事が出来た。これで一安心。