3 怪しいリムジンタクシー
一番見たかったピンクイルカのショーを見終わってピンクイルカの赤ちゃんと記念撮影したら、午後4時半ぐらいだったので、急いで島内バスでマーライオンタワーへ向かった。
このタワーのマーライオンがシンガポールで一番大きい、と市内観光の時ガイドさんから聞いていたので興味津々で行ってみると、やはりかなり大きなタワーだった。
マーライオンの口の部分が展望台になっているので、エレベーターでそこまで登って外に出てみると、シンガポールの景色を360度見渡す事が出来るようになっていて、遠くのマラッカ海峡まで望めて最高の景色だった。ただ、この口の部分は飛ばされそうなぐらいの強風が吹いていたのでゆっくりと眺めてはいられなかった。
マーライオンタワーでセントーサ島の観光は終わりにして、その後はナイトサファリへ行く事にしていたので、タワーを下りた後は再び島内バスに乗り、ケーブルカーステーションの方へ向かった。
ケーブルカーに乗ると始めはセントーサ島が見えていて、下に行くにつれて四方にエメラルドグリーンの海が広がって来て、マラッカ海峡をのんびりと眺められた。異国情緒溢れる景色には3人とも感動した。
ケーブルカーを降りた後は、ケーブルカーステーションからは地下鉄のウォーターフロント駅までは歩いて行き電車に乗るか、後はタクシーを利用なければいけないのだが、なるべく安上がりに電車でオーチャードまで一旦戻りたいところだった。そこからならタクシーでナイトサファリまで行っても、そんなに高くないかなという思いがあったのだ。だが、ケーブルカーを降りた時点で我が娘ゆりは、「いやだ〜!また歩くなんて」と既にタクシーモード。
でも、こちらも少しでも安い方が助かるので、「駅まで歩いて行ったら、ジュース買ってあげるからさぁ」と一応期待しないで言ってみた。
だが、結局ゆりは聞く耳を持っていないので、やっぱりタクシーで行こうかと諦めかけていた時、どこから現れたのかわからないがタイミング良く、いかにも中国系らしきおじさんが近寄って来て、「オーチャードまで30ドル」と言った。
やけに高いのでは、と思って断ったら今度は「どこまで行くの?」と聞いて来たので「ナイト・サファリへ行きたい」と言ったら「ナイト・サファリ35ドルOK?」と再度交渉して来た。少し安くしないと、利用しないと思ったのだろう。
若干高いかなと思ったが、ナイトサファリはここからオーチャードまでの2倍ぐらいの距離があるし、3人ともかなり疲れていたのでナイトサファリまででその料金ならいいかな?と乗せて行ってもらう事に決めた。
オーチャードからナイトサファリが20ドルぐらいらしいから若干高い気はしたけれど、海外旅行だし、その分はチップでも払ったと思えば良いかなと。
そして、おじさんに案内されてタクシーまで行くと、なんとそれは普通のタクシー新しそうなベンツのリムジンだった。しかも、とても新しそうな。
まさか、シンガポールでベンツに乗るとは思っていなかったのでちょっとびっくりしたけれど嬉しかった。
案内されて車内に入ると外観だけでなく、車内もとても綺麗だった。私達が車に乗り込んだら、すぐおじさんは発車した。
シンガポールは大して治安が良い国なので、大して疑いもせず、このもぐりみたいなタクシーに乗ってしまったが、ヨーロッパあたりで得体の知れないタクシーになんか乗ったらすぐ麻酔薬でもかがされて、身ぐるみ剥がされて道端に放り出されてしまいそうな、とても危険な事かも知れない。シンガポールなや日本みたいに治安が良ければそんな心配はいらないので、つくづく有難いと思った。
タクシーに乗ってからは昼間の暑さと疲れですぐ眠ってしまいナイトサファリまで、多分車に乗る事40余りだったと思うが熟睡してしまって、 運転手さんに起こされて初めてナイトサファリに到着した事がわかった。
おじさんにお礼を言って代金を払う時、「また帰りも、迎えに来ましょうか?」と英語で聞かれたのだが、「出る時間がわからないから結構です」と断ってそこでさよならした。
降りたタクシースタンドの辺りには、オーチャードからナイトサファリまではS$15〜20と書いてあったので、やはり、私達のタクシーの方が方が少し料金が高かったみたいだ。
まあ、あんな立派なベンツに乗せてもらえたのだからそう高いとは言えないかも知れない、と納得。
無事、ナイトサファリに到着して良かった。