8、 『ブラックペッパー・クラブ』
ツアーから戻ってホテルの部屋に戻ったは3人は、どっと1日の疲れてしまった。
このホテルはオーチャードから若干離れているが、夜にはまた、街に食事に出かけようと思っていた。が、段々と面倒になってしまい、朝食を食べた『コーヒー・ガーデン』で食事をする事に変更し、6時半に予約を入れた。
疲れたので一休みしていたら、いつの間にかレストランの予約時間を少し過ぎてしまった。
身支度が整っていないので再度レストランに電話をして、予約時間を7時半に変更してもらった。
真冬の日本から急に常夏の国に来て気分はすっかり南国なのに、身体はどうも気候の変化に着いていけていないようだ。
やっと重い腰を上げたのは7時半近くなってからだった。
少し遅れてレストランへ行くと、朝は時間が無くてよく見なかったが、お店の入り口には新年になっても、まだ可愛いクリスマスツリーが飾られていたので、再びクリスマス気分が蘇って来た。
日本とシンガポールとで2回クリスマス気分が味わえるんて最高だ!やはり海外はいいな。
お店の入り口にはメニューが何もなく、バッフェとは解っていたのだが料理の内容や料金が全くわからない。把握しておかないと何だか不安。(ああ、予約の時に確認すれば良かった)
このレストランで食事する人達は、一々料金なんて気にしないのかも知れないが、私達は庶民なので十分気になった。
《ぱん》が勇気を出して店員さんに聞くと、この日は金曜で通常のバッフェにシーフードバーベキューが付いてS67$という事だっだ。
一瞬、ちょっと高いのかなと思ったが、米$ではなくS$への換算なので、これが意外と高くないようだ。
計算すると、 日本円で一人約4700円、税込みでも5000円弱だからそれ程高くないのかも知れない。
とにかく、この高級ホテルのシャングリ・ラで食事が出来るのだから料金なんて関係ない!と、店内になだれ込んだ。
質内の席に案内されると何故かこの時間でもガラガラ。日没が遅いから夕食も遅いのだろうか?
何はともあれお腹が空いたので、早速食べ物をチョイスし始めた。
目指すはシーフードとばかり、ガーデンサイドにあるシーフードバーベキューのコーナーへ三人共飛んで行った。
バーベキューブースには私たちの好きなサーモン、ロブスターやチリ・クラブといった新鮮な魚介類がずらっと並んでいて、自分で好きな物をチョイスしお皿に乗せ、シェフに渡すとグリルしてくれるのだ。
私はまずサーモン、ロブスターをチョイスし、シェフにオーダーした。
焼き上がるの待つ間、室内の料理を取りに行った。
コーナーが分かれていて、日本食、コンチネンタル、タイ、インド、マレーシア、そして中国料理がずらっと並んでいて、パッと見ただけでも簡単に100種類ぐらいはありそうだった。
日本食は朝食より更に種類が多く、天婦羅や寿司まで並んでいた。日本食しか食べられない人でもこれなら困らないだろう。
私達は、変わった香辛料はちょっと苦手なので、日本食とコンチネンタルを中心にチョイスしたが、シンガポールやマレーシア名物のサテという焼き鳥はとても美味しかった。
日本の焼き鳥をもう少し甘くした照り焼きみたいな味に、ピーナツ味噌のようなものをつけて食べるのだ。これは、お代わりまでしてしまった。
暫くすると、先程のバーベキューが焼き上がったので取りに行った。
焼きたてのサーモン美味しそう!
ロブスターの横には、赤いソースが添えられていた。これがかの有名な『チリソース』かと妙に納得、感激!
《ぱん》がサーモンのお皿の他に、グリルして貰った物をもう一皿持って来たので、「ちょっと欲張り過ぎじゃない!それに、その真っ黒い物は何?」
実は、その黒い物の正体、これがシンガポールで『チリ・クラブ』と共に有名な『ブラック・ペッパークラブ』だったのだ。
その黒いソースがブラックペッパーで、ペッパーの大きな実が沢山入っていた。
実は、私はブラックペッパーのソースが大好きなので、興味深々。
早速かぶりついた《ぱん》は「これ、凄く美味しいよ、ブラックペッパーのかかった蟹だよ」
と言うので直ぐに味見をさせてもらうと、本当に美味しくて大感激。ロブスターに掛けても良さそうだ。
取ってくれば、と言われたけれど、蟹自体は甲羅が付いているので、食べるのにかなり格闘しなければならない様で大変そうだったので、(ぱん)が捌いたのを横取りして我慢した。
このホテルの同系列の『トレーダーズホテル』のレストラン『ア・ホイズ・キッチン』は『チリ・クラブ』や『ブラックペッパー・クラブ』の美味しい事で定評があるらしいので、時間が許せばそちらにでも食してみたいところだ。
ロブスターのグリルも美味しかったが、チリソースで食べるより、私はアメリカンスタイルの香味オイルにガーリックの入ったソースでグリルした方が好みかな。
香辛料が苦手なので、食べられない種類の料理もあったが、好きな物だけ取ってもかなりの種類が食べられた。
それに、デザートにはパイナップルのような定番から見た事の無いようなフルーツ、ケーキ、タルト、シンガポール独特のお菓子、アイス数種類と食べきれないぐらい並んでいて全部はとても食べ切れなかったが、かなりの種類を制覇した。
ラムレーズンのアイスと、タルトがとても気に入った。
そして、名物の蟹料理をを食べられたのが、何よりの収穫だった。
全般的に食事は素晴らしかった。また、食べてみたいな。