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双剣無双のヴァイオメント  作者: 一瀬 一
CHAPTER 1 -unripe-
2/5

#1 -confinement-

「悪いが、眠っててくれ」


 彼女の口から告げられ、ハンカチで鼻と口を覆った。

 そして、やがて俺は眠りについた。


 ………………


 長い沈黙の中。

 俺は目を覚ました。

 小さな木製の椅子に座っている。

 手は椅子の背もたれにロープで結ばれている。

 周りには乱雑した荷物や道具がたくさんある。

 おそらく倉庫だろうか。若干工場臭いのも、うなずける。


 それにしても、まさか本当に拉致誘拐されるなんて思ってなかったな。

 まぁ実際思ってたような手荒なものではなかったけど。


 目が覚めてから1時間ぐらい経った。

 よく考えりゃ今は冬だ。暖房もついてない密室に閉じ込められたんだ。

 寒いのは当たり前だ。


 しばらくして、目の前にあるドアが開いた。


 一瞬にして身体の筋肉に緊張が走った。

 何をされるかわかったもんじゃない。


 ドアを開けたのは、俺を誘拐したあの女とは違った。


 整った顔、決まった髪、そして高身長。その姿はまさに美男子。

 俺を拉致した女と同じくこの男も全身黒衣装だ。

 ただ女と違いマスクをつけていない。顔が見えている。

 おそらく20歳前後だろう。俺より年上なのは分かる。


「……おい」


 重たい沈黙の中で放った一言。


「な、なんでしょう……?」


 拉致誘拐されてる身としては、上から目線で発言は出来ない。

 そんな状況でそんな口調で言ったら殺されるに決まってる。

 なんたって拉致誘拐だからな。何か重大な目的がない限り、そんなことはしないだろう。


「今から君を"ヴァイオメント"として仲間にする」


 けだるさを持った口調で、そう言った。

 心の中で激しくつっこみたかった。

 ヴァイオメントって何だ。


「あの……、突然なんなんですか?いきなり俺をさらって。気づけばこんな倉庫の中に閉じ込めて、あなたたちの目的は一体……」


 言い切る前に、男は俺に拳銃を突き出した。


「つべこべいうな、貴様に選ぶ権利など、無い――」


 そうして俺は、何一つ理解できず"ヴァイオメント"となった。

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