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双剣無双のヴァイオメント  作者: 一瀬 一
CHAPTER 1 -unripe-
1/5

#0 -prologue-

 地球、そして世界。

 この空間は、人間が思うより果てしなく広い。

 そんな世界の中には、人知れず生きていく者たちもいる。

 特殊な仕事をしている者たちも含まれている。


 "ヴァイオメント"


 そう呼ばれる特殊な人間もこの世界で暮らしている。

 初見で聞いても何のことかさっぱりだが、彼らの生き様は壮絶だ。

 そんな彼らに、ある出来事が起きる。

 これは、彼らの波瀾万丈な1年間の日々を記録した物語である……。


 201X年1月22日――

 ここは日本の大都市・東京。

 行き交う人々が大名行列かのように、あっちこっちへ進行していく。

 その中に、俺はいる。


 俺の名前は、村田千尋。17歳。

 都立素條(すじょう)学園に通う高校2年生だ。誕生日は8月25日。

 以上。

 無難な自己紹介としてはこれぐらいでいいだろう。

 さて、正月も空けて、すっかりお休みモードから解放されたわけだが……。

 学校が始まってからすでに2週間ほど経ったが、未だに俺は正月気分だ。

 俺は何より勉強が嫌いだ。

 運動神経もないし勉強もできない。

 夢もなければ未来も求めてない。

 一体、社会はこんな無能を求めているのか。

 普通に考えりゃ、ないだろうな。

 人間ってのは何かしらの意味をもって生きている。

 平社員であろうが、組織の一番下でも社会に貢献すれば立派な人間だ。

 俺はあともう少しで3年生になるわけだが、正直就職か進学も全く決まってない。

 多分このままいけばニートと言う名の道筋が待ってるんだろうな。


 しかし、そんな人間を必要とする者たちもいる。

 そう彼らは俺みたいな人材を求めて人知れず動いている。

 その彼らが今ここに……。


「貴様、ちょっと来い」

「はい?」


 登校途中で若干急いでいるというのに、唐突に全身黒衣装の女性は俺の背後からやってきた。

 そして、彼女は俺の手をつかみ人気のない路地裏へ早々と連れ込んだ。


「あ、あの……な、なんでしょうか?」


 狭い路地裏に連れ込まれ、黒衣装の女性は俺を壁に追い詰めて、さらに手を付いて逃げられなくなるようにしている。これが噂の壁ドンというヤツか。


「貴様、名は何と言う」


 冷静的な彼女の口から発せられた言葉。

 正直惚れてしまいそうだが、彼女の顔がかなり恐い。

 サングラスをつけてるが、その奥から本気で睨むような瞳が見えた。


「え、えっと……、山本信吾です」


 誰だよ。俺はとっさに嘘をついてしまった。

 そもそもこういう個人情報に俺は敏感なんだ。そう簡単に人に教えるか。


「嘘をつくな!」


 威勢ある声に、情けない声を出し俺はすばやく


「村田千尋です!」


 答えた。

 何でおれが嘘をついたのを知っているんだ。俺の眼の動きとかで察知したんだろうか。すごい観察力だ。


「よし、今から君を誘拐する」


 はぃ?

 見事なアホ声だ。なんのこっちゃかさっぱりだ。

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