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02話 新たな出会い。


「そこを動くな!!」


 足元にしゅっとした足が見えた。俺はふと顔を見上げると、そこには金髪で耳の長い綺麗な女性が弓を構えながらこちらを睨んでいた。


 「私の名はミア。エルフ戦闘部隊の第1部隊のリーダーを務めている。貴様は何者だ!」


 彼女は弓を引いたまま、こちらを睨みつけてそう言った。


タクト「お、落ち着け。俺の名はアマミヤ タクトだ!武器も何も持っていないから、攻撃しないでくれ!」


ミア「アマミヤ タクト?変な名前だな」


 彼女は警戒を解いたのか、弓を収めてた。


ミア「全員、武装解除!」


 彼女が大きな声でそう言った。最初は何を言っているのか意味が分からなかったが、すぐにその意味が分かった。彼女の声と同時に、俺を囲むかのように弓を持った大勢のエルフが草むらから出てきた。いつの間に囲まれていたんだ...全く気が付かなかった。


ミア「貴様はここで何をしていた?」


タクト「俺はこの森に迷い込んでしまって、ゴブリン達に襲われそうになったんだ。お前達こそなぜここにいる?」


ミア「この辺りは我々が管理している森だ。最近あちこちでゴブリンの目撃情報が出ていたので調査をしていたところ、遠くのほうで雲の塊を見つけ不振に思いここに来たらお前を見つけたんだ」


 そうか、あの雨は部分的に降っていたのか...しかしなぜここだけ雨が降ったんだ。ゴブリン達が倒れていたことと何か関係があるのか...?


ミア「貴様、まさか異世界人か?」


タクト「異世界人について何か知っているのか!?」


ミア「少しな。異世界人は不思議な能力を使うと聞いたことがある。この大量のゴブリンの死体も貴様の能力の仕業なのか?」


 そうか、俺自身がピンチに陥り、無意識に能力を発動させたのかもしれない....


タクト「俺が能力者で、それが原因でこういうことになったのかわ分からないんだ」


ミア「そうか。まあいい。アマミヤタクト、ひとまずお前を我々の国に連行させてもらう。」


 せっかくエルフに出会えたってのに、幸先の悪いスタートになりそうだ....


ミア「第1部隊ミアだ。門を開けてくれ」


タクト「なんだ、これ...」


 目の前には大量の丸太を縦に並べて作られた壁がそびえたっていた。中に入ってみると、木造建築でできた沢山の家、広々とした畑、そして老若男女の多くのエルフがいた。まるで、昔話の世界だ。そして俺は国の中心に立っている大きな建物に連れていかれた。


ミア「第1部隊ミア、ただいま戻りました。」


 彼女は膝をつき、そう話していた。ふと奥のほうを見てみるとそこには貫禄のある老人が座っていた。


老人「ごくろうであった。ところで横にいる青年が話に聞いていた異世界人か?」


タクト「おい、エルフの人。誰だあの人?」


ミア「貴様!!無礼だぞ!!あのお方はこの国の王であるハリベル様だ!!」


 目の間にいたのは、エルフ国の王だった。左目には縦に傷があり、服の上からでもわかるムキムキ具合、いかにも歴戦を生き抜いた男という風貌だった。


ハリベル「そこの異世界人、名前をなんという?」


 会う人、会う人にフルネームを言うのも面倒だな。下の名前だけでいいか。


タクト「タクトといいます」


ハリベル「タクトよ。貴様能力が使えるのか?おぬしの近くで大量のゴブリンが倒れていたと報告を受けている」


タクト「正直まだ能力を持っているのかは分かりません」


ハリベル「そうか...どちらにしろ、我々の森で好き勝手に暴れられてもかなわん。ひとまず投獄せい」


タクト「え?」


 ガシャン‼急に連れてこられて、一方的な質疑応答、そして即刻投獄。あまりにもスムーズに牢屋に入れた。


タクト「ちょっと!!俺は敵じゃない!!ここから出してくれ!!」


番人エルフ「うるさい!異世界人!!貴様が我々にとって有害か無害かはこちらで判断する。そこでおとなしくしていろ!!」


 あまりにも、当然のことを言われたので何も言い返せなかった。大きな鉄格子の入口、周りは石で囲まれ、少しばかり外の景色が見れる程度の狭い牢屋だ。いったい俺はどうなってしまうんだ...


ミア「ハリベル様、最近ゴブリンの目撃情報が増えております。奴らの目的はいったいなんでしょうか」


ハリベル「うむ、ゴブリンが群れをなしているだけなら分かるが、同族同士で争いまで起こっている。こんなことは初めてだ」


 タクトが牢屋にいる間に、ゴブリンとエルフの間で何かよからぬことが起きようとしていた....


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