電子の嵐、第三の暴走ロボット
第三章:人類
___________________________________
===================================
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
男は、自分たちの拠点の位置や周辺の危険について詳しく教えてくれた。
「俺たちが襲った悪党は、あくまで雑魚。もっとヤバい連中がいるってことだ」
俺は銃をしっかり握りしめ、カナメは無表情で静かに頷く。
「この先も気を抜けないってことだな」
協力者は、物資と情報を交換しながら、俺たちを手伝うことを約束してくれた。
その約束が少しだけ、暗い廃墟の中に光をもたらすように感じた。
だが、俺の胸の奥にはまだ不安が渦巻いていた。
“暴走ロボット”と呼ばれる存在、そして“鍵”が何を意味するのか。
「ここから先、何が待っているんだろうな……」
カナメはそれに答えず、ただ前を見据えて歩き出した。
俺は銃を肩にかけ、そっと彼の背中を追いかけた。
廃墟の奥に響く機械音。
そこに潜むのは、13体の暴走ロボットの中でも異彩を放つ【D-15 “Dagonet”】。
二人はまだそのことは知らないが、カナメとユウトはその異様な気配を感じ取っていた。
「奴の電磁波攻撃には注意しろ。銃の電子照準が使えなくなる」
カナメの冷静な声に、ユウトは緊張で手が少し震えた。
頼れる相棒のアサルトライフルだが、狙いを定める電子照準が狂えば命中率は大きく落ちる。
目の前に姿を現した“Bors”。
その巨体は錆びついた鋼鉄の塊のようで、無数の赤いセンサーが光る。
一瞬、異様な熱を感じながらも、機械特有の冷たい空気が辺りを支配した。
“Bors”が体内から電磁波を放ち始めると、ユウトの銃の電子機器が一斉に狂いだした。
レーザーサイトが消え、電子スコープが乱れる。
「くそ……レーザーサイトもスコープも全滅だ!」
ユウトは慌てて銃を手動で構え直すが、狙いはブレている。
カナメは剣を抜き、その刃に走る電流の感触にわずかに眉をひそめた。
「……問題ない」
振りかぶって斬りかかるが、電流のショックが手にビリビリと響き、身体が跳ね返されたような感覚に襲われる。
“Bors”が繰り出す攻撃は鈍重ながらも一撃必殺の威力を持ち、二人は押し戻されていった。
「動きを封じるためには、狙いを絞らないと」
カナメの声は冷静だが、その目は確かな緊張を帯びている。
ユウトは距離を保ちつつ、手榴弾を取り出す。
「これで一気に仕留める!」
手榴弾を投げ込むと爆発が起き、ロボットの脚部に大きなダメージを与えた。
“Bors”の動きが一瞬鈍る。
だが、それは長くは続かなかった。
「気を抜くな……奴はただの装甲の塊じゃない」
カナメの警告が響く。
二人の戦いは、まだ始まったばかりだった。
___________________________________
===================================
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄