灼ける鉄、昼の戦場(後編)
第二章:灼ける鉄、昼の戦場
___________________________________
===================================
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
熱波が少し弱まった一瞬。
カナメが深呼吸をして、目を閉じる。
その表情はいつもの無表情とは違った。
ほんのわずかだけど、戦いに懸ける覚悟が滲んでいた。
「ここで決める」
そう呟いて、剣を握り直す。
俺はすぐ後ろで、アサルトライフルの銃口を向けたまま息を殺した。
「いけ」
カナメが低く唸りを上げながら、熱波の届かないギリギリの距離まで駆け寄る。
その刹那、機体が高熱の熱波を放った。
「っ……!」
カナメの腕が焼けて、彼の動きが一瞬止まる。
それでも、彼は堪えた。
ただ、その一瞬が命取りになるかもしれなかった。
「負けんなよ……!」
俺は拳を握り締めて、銃弾を乱射しながらカナメの背中を守った。
「あと少し……!」
カナメは汗を流しながら、剣を振り抜く。
金属の音が辺りに響き渡り、巨大な機体の装甲を深く斬り裂いた。
「やった……!」
機体がついにバランスを崩し、ゆっくりと倒れ込んだ。
爆発音と共に、熱波も消え去る。
「動かねぇ……か?」
カナメが剣を引き抜き、胸部の装甲をこじ開けた。
中には、薄く光るパーツが収まっている。
「これで……2本目か」
俺は息を整えながらつぶやく。
「あと何本集めればいいんだろうな」
カナメは無表情のまま、ゆっくり頷いた。
灰色の空の下で、俺たちはまた歩き出す。
失われた空を取り戻すため、まだまだ旅は続く。
___________________________________
===================================
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄