ゴミの分別
第24回新風舎出版賞、3次審査落選作品(笑)
私は店内を見て廻るだけで、何も買わず100円ショップを後にした。右手には傘、左手にはスーパーのビニール袋を持ち、行きと同じ道を引き返すと、アパートへと到着した。するとゴミ収集所にスーパーのビニール袋に入れられたゴミの束が、一つ置かれていたのが目に入った。―燃えるゴミの日は明日だよなー――
一人暮らしを始めて自分自身変わったと思うのが、ゴミを分別するようになった事。実家の時は、ほぼ全てのゴミが燃えるゴミになっていた。しかし、今ではわりと丁寧に分別している。ゴミ収集所はアパートの敷地内にあり、部屋を出て階段を降りると直ぐなので助かっている。
ここのアパートは大学から近く、間取りが1Kなのもあって、入居人は一人暮らしの大学生が多い。どうやらここのアパートの住人は、ゴミの分別に関してはあまり感心がないようだ。というのは、プラスチックのゴミの日や、紙類のゴミの日などは、ほとんどゴミが出ていないからだ。それらのゴミの日にゴミを出しに行くと、一つもゴミが出されていない事もザラで、「あれ、今日でいいんだよな」と、出すのを困惑してしまう位だ。自分も前までそうだったので、あまり言える立場ではないが、燃えるゴミの日に明らかにプラスチックのゴミが混ざっていたりするのを目にすると、腹が立つ。自分が近所のどこにでも居るうるさいババアになっているようで恐いが、今後、突然の夕立の時に洗濯物を干している住人に対して、「雨が降ってきたわよ!洗濯物を取り込んで!」といったおせっかいババアにはならないようにと心に決めている。
続く...




